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『ザ・フェミニズム』をマトモに読む第4回目。趣旨としてはタイトル通り『上野千鶴子さんのフェミニズムの「客層」と「受容」 ―「性的自由」への固執と過剰に内面化した「女性性」―』という感じの内容。

ザ・フェミニズム (ちくま文庫)
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)上野 千鶴子 小倉 千加子

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具体的には、上野さんの「こだわり」が端的に現れている論点である「性的自由」に関して、「一体どれくらい固執しているのか?」を明らかにするため、「性的自由」または「性的な自由」という言葉の使用箇所を引用してみた、という感じ。

その上で、「上野千鶴子さんのフェミニズム」「客層」(消費者)について、また、消費者が上野さんの思想をどう受容したのか、その「受容」のされ方について、思ったことを書いてみたりしました。また、最後に、リバタリアン・フェミニストである藤森かよこ先生の説明によるフェミニズムを引用することで、上野先生のそれとの違いを際出させてみました(笑)。

なお、小倉さんの発言のなかにも「性的自由」という言葉は使用されていますが、それはあくまで上野さんの発言を受けた上でのことなので、以下はすべて「上野さんの発言」からのみ引用。


フェミニズムは平等を求める思想というよりも自由を求める思想だったはずなんですよ。自由を求める、というとき、何の自由がいちばん根源かというと、自分の身体に関する自由。「性的自由」って自由の根源ですよ。(1回目、p162)


性的自由を求めない「自由」ってなんなんだろうと思う。理解できない。まったく理解できない。(2回目、p163)


でも婚姻という制度の中では、性的自由を相互に封印するという契約を交わしたことになります。(3回目、p165)


性的自由を欠いたフェミニズムはあり得ない、というのが、私の考えですから、結婚とフェミニズムは相容れません。(4回目、p165-166)


性的自由はフェミニズムにとって、基本のキだと私は思ってますから。(5回目、p169)



以下、続く。

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以下、当ブログへ検索で辿り着く人が定期的かつ継続的におります「自称」フェミニストの「伊田センセー」について。先日、ここで、"少なくとも私からみれば、江原と同じに見えるんだけどね。。”と書いた私ではありますが、この主張を裏付ける資料を見つけました。

以下、前々から愛読させてもらっているmacskaさんのブログより。(出典はすべて『スピリチュアル・シングル宣言』伊田広行著、から、とのこと。なお、はてなブックマークの皆さんのコメントを伏せて読むと、なお一層楽しめるかと。。w)

★その1
http://d.hatena.ne.jp/macska/20080316/p1
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/macska/20080316/p1

20080317102510.gif


★その2
http://d.hatena.ne.jp/macska/20080319/p1
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/macska/20080319/p1

20080319162807.gif


★その3
http://d.hatena.ne.jp/macska/20080323/p1
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/macska/20080323/p1
20080323233237.gif


ついでに、macskaさんの本家ブログより、この件に関する記事をメモ。

「直線的程度の差としてイメージされている」伊田広行氏の「中間派」解釈(2007/10/13)
女性運動の歴史の否定の上に成り立つ「ジェンダーフリー」概念の「豊かさ」(12/12/2006)
「スピリチュアル・シングル論」は、マイノリティをダシにしたマジョリティのための自己啓発セミナーだ(2006/05/29)
フェミニズムを私物化する男性ジェンダー研究者(2006/05/28)

しかし、伊田センセーが一人で「スピリチュアル」や「精神世界」や「ニューエイジ」にハマり込むのは別に問題ないんでしょうけど(そういうのも広義の「信教の自由」だし。。)、「信者」はどれくらいいるんでしょうね。。(多くて2、3人くらいなのかな。。もっといたら、ある意味、コワイな、本当に日本は終わったってことだな、、と、思いました。。)

以下、同日、関連リンク追加。
★こころ世代のテンノーゲーム - これからしばらく「社会的強者」のことを「スピリチュアル・シングル」と呼ぼうか
http://d.hatena.ne.jp/umeten/20060530/p4
★記識の外 - メモ「女性学の権威主義」。
http://d.hatena.ne.jp/using_pleasure/20050303/1109825660
★[特別企画] 運動内・学会内マジョリティの「連帯」をぶち壊すということ
http://d.hatena.ne.jp/Backlash/20080310
★ジーキルとハイドの混合状態【意味不明な人々-発達障害(ADHD、アスペルガー)と人格障害に取り組む】
http://blog.m3.com/adhd_asperger_etc/20080324/1

ジャイアンの出発点は、脳がジーキルとハイドに分裂していること。そこから根本的な不安定性が生じ、この緊張状態から逃れるために、依存や自己正当化、宗教への傾倒などの無理で強引な思考が生じる。

 しかし現実の環境との関係の中で、最後はこの分裂がどうしようもなく表面化し、自分で自分を責め続ける場所にたどり着いてようやく合理的な自己突っ込みはやや緩和されることはありうる。

 理解しがたいとは思うが、「ジーキルとハイドの統合されえない混合状態」がジャイアンの真相だと思う。この現実を見据えて、周囲の現実に表面的に適応していく道を探すしかない。


要するに、本人がどんな症状を示しており、どんな病名が該当するのかは、精神科医に診断してもらわない限り断定できないものの、伊田センセーが「周囲の人たちを困惑させている」のは事実であり、よって、「問題構造的には」こうなってるだけ(↓)、って感じですね。
★上司が自己愛性人格障害だと部下はウツになる。
http://ideaflow.blog26.fc2.com/blog-entry-146.html

よって、周囲の人たちが採用する現実的対応としては以下。
★トンデモのパターンと対処法
http://am.tea-nifty.com/ep/2004/06/skeptic.html

なお、トンデモさんは
  ●他人の意見をうまく解釈できない
  ●自分の立場を客観的に把握するのが下手
  ●他者が共有している意味世界では自分は救われないと感じている

ゆえに、チガウ理論に固執しているわけで、そこをわかってやらないと対処する側は徒労を重ねるばかり。

 彼の主張は「自己救済の一種」。
 そう考えるとおのずと対処側の手法も上手になるのでは。


★「研究ごっこ」Q&A
http://www.hmt.u-toyama.ac.jp/chubun/ohno/qanda.htm##13

「研究ごっこ」へののめり込み具合が、本人の社会生活や、家族の生活にあまり影響がないような程度のものなら、突き放してほうっておくのも一つの手でしょう。もし周囲に深刻な迷惑をもたらしているのであれば、粘り強く説得を試みるしかありません。

相手は「研究ごっこ」に自分の全存在をかけていますから、頭ごなしに決めつけたのではますます意固地になります。相手の話をひとまず聞いてから、理性的にさりげなく矛盾を指摘していくことを気長に続けるのがよいのではないかと思います。

カルト宗教から脱会させるためのノウハウは、ある程度蓄積されていますし、本としても出版されていますから(統一協会やオウム真理教をキーワードに探すと見つかるでしょう)、そちらを参考にするのもよいでしょう。



3月28日、追記。
この件は、「宗教社会学」や「宗教人類学」と関係ありそうなので、以下ご参考までに。

★ニューエイジ運動の意味、およびまとめ(知識情報論:講義細目と概要)
http://www.komatsu-c.ac.jp/~yositani/na.htm

(2) 全共闘くずれ……そうしたこともあって、1970年代以降ニューエイジ文化が日本に紹介されるにあたっては、いわゆる全共闘(時には過激派)くずれの知識人が曲解した形でそれを媒介した場合が少なくなかった。米国ニューエイジャーの基本は(先週分のように)自己変革にあるが、日本ではそれが社会変革の方向付けを持ったマルクス主義(あるいはアナーキズム)の代案として解釈 or 期待される傾向があった。

 無農薬・有機栽培、ディープ・エコロジー、フェミニズム、レヴィ=ストロースやカスタネダなどの人類学、イリイチのオールターナティヴ思想さえ、社会変革の「ため」のものと位置付けられることがままあった(例:"AT":オールターナティヴ・テクノロジー、つまり地熱や風力発電などに期待する議論を、そのまま反原発運動の理論的支柱としようとする、など)。←cf.前述したケストラーのホロン概念のように、保守政権のブレーンに利用されるものもあった訳だが……。



で、伊田センセーの経歴、以下。

1958年生まれ。大阪市立大学経済学部卒業、同大学院博士課程単位を取得後退学。1986~88年は中東経済研究所のエジプト事務所で勤務。また98年度はスウェーデン、ストックホルム大学で在外研究。はじめは労働問題、社会政策を勉強していたが、徐々に女性労働から、女性学全般に研究対象を広げ、いまではその視点を「シングル単位論 」として提唱している。


よって、正確には、いわゆる「マル経崩れ」であり、学者としては5流以下。

先日に続きまして『ザ・フェミニズム』をマトモに読む第3回目。前回と同じく【東京密室対談 他のフェミニストたちにはとても聞かせられないこと】(2001年の対談のほう)より。

今回は、1980年代に芽生えた「官主導のフェミニズム」の担い手へと「学識経験者」として駆り出された上野千鶴子さんと小倉千加子さん の話を中心に、フェミニズムが当時の専業主婦たちに与えた影響や、お二人の当時の悩みなどを中心にまとめてみました。

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最初に要点をまとめますと、当時、対処の仕方こそ違えども、お二人とも「自分達が発したメッセージが受容されたからといって、受容側の生活が変化するわけではないことへのジレンマ」(「」内は遥洋子さんの解説にあった言葉。非常に的確な表現だと思ったのでそのまま使用。)に悩んでおられたわけであります。

というのも、フェミニズムというのは、当時の専業主婦たちにとっては「とてもキツイ思想」(p138、小倉さんの発言)だったそうで、小倉さんや上野さんのような学識経験者から直接習っても、思想と現実が乖離してしまい、結果として「3年たってフェミニズムを封印した人」や「逃げた人」(小倉さんの発言)のほうが多数だった、そして小倉さんは「結局、自分の言ってることが無力だった」(p70)ことを実感し、その無力感が「社会的引きこもりになる原因の1つ」(p70)となった、とのこと。

お二人のスタンスの違いをまとめますと、小倉さんは、「なぜこれからいくらでも選択肢のある若い世代にフェミニズムが届かず、年齢的にも経済的にも今から学んだって人生変えようがない専業主婦のほうにフェミニズムが学ばれるのか」という点に関して、苦悩し絶望に近い感情を抱く。

一方、上野さんは「理念とはしょせんそんなものだ」「たまたま人が変化することがあっても、それはその人の自力であって、自分が変えたわけではない」「冷静に客観的にフェミニズムの限界を語る」。(以上、「」内の言葉は本書に収録されている遥洋子さんの解説からの引用、p310-311。ちなみに遥洋子さんは「小倉氏のたどった苦悩のほうにいたく共感・共鳴ができる」とのことです。)

以下、細かい部分を引用し、まとめ。
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先日の"『ザ・フェミニズム』をマトモに読む”シリーズ第2弾。前回と同じく【東京密室対談 他のフェミニストたちにはとても聞かせられないこと】(2001年の対談のほう)よりまとめ。

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今回の内容を要約しますと、タイトル通り『ウーマンリブと80年代フェミニズムの歴史 -「民主導」から「官主導」へ-』といった感じであります。

まず、「ウーマンリブ」と「フェミニズム」という言葉の使われ方および当時の状況に関して、お二人には認識の違いがあり、

小倉:(略)ウーマンリブがフェミニズムと名前をかけてからは、官主導だったのは事実なんじゃないですか?

上野:「あなたが出会ったのは」と限定してください。

小倉:私が出会う前に、ウーマンリブじゃないフェミニズムで、民主導の草の根フェミニズムがあったということですか?

上野:運動を細々とやっている人は、そこらじゅうにいましたよ。

小倉:それをフェミニズムと言うてました?

上野:フェミニズムと呼んでいる人もいた。

小倉:私、ウーマンリブと呼ぶんだったらよくわかるんだけど。なんか、上野さんのいう「草の根」と私の言う「草の根」は全然違う気がします。(p126-127)


というのを前提とした上で、以下、その後に続くお二人の会話の内容を引用しつつ、まとめつつ、所々で感想など。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

以下、この前、古本屋で仕入れた『ザ・フェミニズム』(上野千鶴子・小倉千加子著・ちくま文庫2005年)の詳細解読の第一弾。(数回に分けてアップする予定。)
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)上野 千鶴子 小倉 千加子

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本書は、アッサリ読みますと、暇つぶしのために優れており、それなりに面白い対談集、といった内容なのですが、細かく読むと、日本におけるフェミニズムの歴史はもちろんのこと、社会学者である上野千鶴子さんと、心理学者である小倉千加子さんの考え方の違いがよくわかり、けっこう良い感じの仕上がりになっております。

注意点としては、本書の公開対談は、2000年7月29日に大阪のドーンセンターで行われた対談をもとに語りおろしの部分を加えて加筆・再構成したものであり、一方、「密室対談」はすべて2001年の語りおろし。また、本書は、2002年3月に筑摩書房から刊行されたものを文庫化したもの。

なので、本書の内容は、現時点における日本のフェミニストの人たちの現状を正確に表現しているとは限りませんし、まさか、とは思うものの、この当時よりは改善されているだろうと予測されます、はい。(まさか、このまんま、ってことはないですよね?だって、対談が2000年なんだから、もう8年経過してますし。。)

以下、【東京密室対談 他のフェミニストたちにはとても聞かせられないこと】(2001年の対談のほう)より引用し、所々で感想など。


しかし、NBオンラインは、本気で面白いです。だって、バブル脳全快の白河桃子さんの「キャリモテの時代」と、深澤真紀さんのようなマトモなバブル世代のコラムが、同居していて、多様性に富んでいるんだもの(笑)。

★「30女」と「平成男子」の「病」 ~「男」と「女」の幸せが交差する世代
石原壮一郎氏×深澤真紀氏 その1
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20080108/144402/?P=1
* 2008年1月16日 水曜日
* 深澤 真紀

(略)深澤 そうですね。彼女たち(注;20代・30代の女性たち)は基本的に頑張り屋さんだし、努力家だし、まじめだし。

石原 男性のほうが「自分」から目をそらすのが得意ですよね。

深澤 ええ。実は私、30女たちには責任を感じているところもあります。私たちバブル世代のマスコミ女たちが、力があり過ぎた──力といっても権力じゃなくて、声が大きいとか、妄想力が強いとか。

石原 確かに、そういう特徴は無きにしも非ずかと……。

深澤 私たちバブル世代が学んだ方法論を、20代、30代の女の子たちにメディアで喧伝してしまった。それで、まじめな女の子たちが言いなりになっているのでは?という気がして。

 例えば「30女」に書いてある「この店、味が落ちたわ」みたいなことを言うのはまんまバブル女ですし、バブル女の膿みが今、30女に出ちゃったのかなという感じがしています。

石原 ただ30女も、「バブル女」を素直に「リスペクト」しているわけじゃありません。影響力が大きい人の真似をしても、いまいちしっくりこない。あの人たちはこのまま突き進んで大丈夫なの?とか、あの人たちみたいになるのは嫌だと思ったり。

反面教師にするだけの元気があればいいんですが、据わりの悪さを感じながらも、どう逃れればいいのかわからずにもがいていると悲劇ですね。

 バブル女はその居心地の悪さが病というには血となり肉となり過ぎていて、普通の状態だったんですけれど、30女はそれを中途半端に受けて、中途半端に逃れようとしているおかげで、病になっているのかなと思ってるんです。


そうそう、「反面教師」として非常に優れているんですよね、総じて、バブル世代って。それと、私自身、いわゆるaround 30なのですが、同年齢の友達と話すと、やはり、根がマジメで優等生タイプの人ほど、マスコミの言説に振り回されている感じを受けますし、今の時代、マジメな人ほど、精神的に病みやすいような感触を受けます。

なので、情報リテラシーの観点だけでなく、メンタルヘルスの観点からも、あんまり、マスコミ言説は信用しないほうがいいと思います。経済ネタでも、恋愛ネタでもそうなのですが、マスコミの人たちは、勝手なことばかり言ってるだけであって、言論の責任を負わないですし、そもそも、責任感や倫理観がある人のほうがマスコミには少ないんだから。。(恋愛・結婚ネタは昔から信用ならないものであるとして、最近ですと、「ド文系」が経済・金融ネタを書いている場合っていうのが、けっこうありまして、あれが個人的には一番イヤな感じがします、はい。。)

続きまして、2ページ目より以下引用。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/skillup/20080108/144402/?P=2

石原 バブル世代というのは、雇用機会均等法で一番張り切って働き始めた人たちですね。

深澤 選択肢が一気に増えて、いろいろなものが手に入った世代です。バブル世代はまた、下の世代に責任を持たない人たちが多くて、言いっぱなし、やりっぱなし、文句が多い。たぶん下の世代のことも「バカじゃない?」と思っている人も多いと思いますよ。

石原 バブル女が30女を?

深澤 ええ。「私たちはこんなにイキイキ生きてるのにね」にみたいな。。

石原 それはそれで「40女」という病ですけどね(笑)。

深澤 40女はなかなか迷惑です(笑)。私は若い女の子によく言うんです。「私たちの世代の言うことは信じるな」って。“Don't trust over forty.”ですよ(笑)。

(略)深澤 上の世代の女性は何もしないで「このままでいいの?」と言っていたけれど、30女はいろいろやった上で「このままでいいの?」と思っている。そういう意味ではだいぶましかなという気もします。


個人的には、バブル世代の人たちは嫌いではないのですが、やはり、一般的にいって、ほかの世代から見れば、勘違いが凄まじい水準に達していて、総じて「迷惑」だと思われてしまっている方は多いのかも、ですよね。。

ということで、まとめますと、この前も書きましたが、原則として、「バブル世代」が書いたコラムや著書は、ほかの世代には役に立たない。しかし、例外として、無理やり役に立たせたい場合は、「反面教師」として捉えなおすと非常に役に立つ、という感じかな、と思います。

最後にマキアヴェリの名言を1つ。

天国へ行くのに最も有効な方法は、地獄へ行く道を熟知することである。

『手紙』 ニッコロ・マキアヴェリ

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★さるさる日記 女たるもの
http://www2.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=58709&log=20080221
より。

■2008/02/21 (木) 非婚化社会(1)

仕事帰りに立ち寄った紀伊国屋で読んだ本に、
いい意味でない衝撃を受けた。

あまりの衝撃に、一気読みしてしまったくらい。
超インパクトがあったのは以下の二点。

その1.今時のいい男(高収入でコミュニケーション
能力にも優れ、趣味も多い)が望むのは、高収入な女性。
キャリア女性はモテないという今までの定説は、覆される。

その2.日本の非婚化が進んだのは、「いい女が増えたのに、
いい男は少ない。女性は自分より「上」の男性を求めるので、
必然的に結婚しない女性が増えてしまった」から。

つまり「女はいい女ばっかりなのに、男がヘボいから、
独身が増えたのよ」って言いたいみたい。
あんた何様?ページにむかって
つっこみたくなった。

全体に流れる「カネがないと幸せになれない」といった発想から、著者はバブル世代だろうと思ったら、はたしてそうだった。
決め付けるのは何だけど、バブル世代の人って、金で物事を片付けるの好きだよね。


本当にその通りだな、と私も思います。。この前ツッコミを入れた「キャリモテの時代」もそうですし、全般的に、著者が「バブル世代」だった場合、結婚や恋愛をも含む「人間関係全般」にまでも、なんとなく「「カネがないと幸せになれない」という発想が流れていて、「ああ、バブルな人たちは、やっぱり違うなぁ~。。」と、どうしても思ってしまう、というか。。

それに、バブル世代の人たちは、なんというか、全体的に「見栄っ張り」(ステータス志向が強い)で、なおかつ「現実が見えていない」夢うつつな人が多いような感触を受けるんですよね。。たとえば、この前ツッコミを入れつつ、あまりにもツッコミを入れすぎるとマズイかな、と思いつつ、疑問に思った遙洋子さんのコラムを例にしますと、

★女医の増加をジェンダーで見る
* 2008年2月22日 金曜日
* 遙 洋子
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080220/147597/?P=3

私だって職場に男性医師とヒモみたいな男がいたら迷わず男性医師を選びたい。だがその瞬間、自らのキャリアと妻役割がぶつかる。女性がキャリアアップしたければ必然的に後者の男のタイプしかないのだ。だがヒモみたいな男は芸能界のほうにいて、医学界には将来有望な男しかいない。その垂涎の事実が苦悩を招くのだ。


という箇所あたりは、「ああ、医療現場の現実が見えていないんだな。表面しか見ていないんだな。。」と、どうしても思ってしまうというか。。

というのも、文面からすると、おそらく、遙洋子さん的な発想をする女性群は、「医者」=収入に困らない、社会的ステータスがある、というようなメディアによって創られた表面的な職業イメージによって、「医学界には将来有望な男しかいない。」と断定してしまっていると予想できます。

もちろん、遙洋子さんのようなタレントを職業とする女性が合コンしたり出会ったりする男性医師というのは、おそらく、開業医の方が多いと思うので、そのイメージに適合する方が居るとは思うのです。

が、しかし、一般の勤務医ですと、すごく忙しいですし、忙しい割には収入は少ないのであって。。それに、何より、多くの医師は、お金のため、というよりは、社会的な使命感によって仕事を選んだ方が多いワケで。。

それに、最近ですと、「モンスター・ペイシェント」と呼ばれている、要求が過剰な患者の対応も大変でして、非常にストレスフルな状況に置かれているワケでして。。(なので、まあ、「自らのキャリアと妻役割」で悩むのもいいのかもしれないけれど、表面的なイメージでなくて、少しは相手の職業の内容を考慮すればいいのにな、と個人的には思ってしまう、というか。。)

ついでに、以下、「バブル世代」に関する記事いろいろ。
「おれ、バブル期はモテたんだけどな……」~亀山早苗コラム(53)~ - OhmyNews:オーマイニュース

(略)ところが35歳を過ぎるころから、まったくモテなくなっていく。

 「頭髪が寂しくなって、なぜか急に太ってきたんですよ。それほど食べていないのに。焦ってジムに通い始めたんですが、仕事が忙しくて、なかなか行けない。夜はどうしてもお酒を飲んでしまうし、そうすると次の日は二日酔い。あっという間にオヤジ道をまっしぐらという状態になってしまいました

(略)昔は自分に自信があったから、自分から積極的に女性を口説くことができた。だが、今は昔の栄光にすがって生きているような人間だから、と彰文さんはつぶやくように言った。卑屈になっているというわけではなく、むしろ恬淡(てんたん)としてあきらめている感じさえ漂う。

(中略)バブル期にいい思いをしてしまった男女の中には、あの時期をひきずったままの人たちがいる。時代は変わった。自分も変わらなくてはいけないのかもしれない。



「わたし、バブル期はモテたのよ……」~亀山早苗コラム(54)~ - OhmyNews:オーマイニュース

(略)バブルに踊らされた女性たちは、どこかでそれをひきずっている。現実を見据えて結婚していった女性たちは、それなりに厳しい生活の中で幸せを見いだしているのだろうが、いまだ独身の女性たちは、個人差は大きいが、不平不満がたまっているようにも見える。

(中略)万里さんは確かに今も美人だ。だが、どこかがずれている。例えばメイク。今はナチュラルに見えるようなメイクが主流なのだが、彼女のアイシャドーはいまだに青だったり黒だったり。まゆの手入れもあまりしていないので、流行のまゆよりずっと太い。服のセンスも、かなり時代がかっている。

 つまり、彼女は「あの時代」から抜け出していないのだ。自分が20代だったころの流行に、知らず知らずのうちにしがみついているのかもしれない。男たちから見ると、「イタイ女」ということにもなっているらしい。

(略) 「最近、働き続けることに疲れちゃったんですよ。もうさっさと結婚してラクして暮らしたい」

 「今の若い女性って、仕事に慣れてくるともう辞めちゃう。私たちのころは、もっと自立という言葉に敏感だったけど」

 経済的に自立することが目的だった、過去の女性の生き方はもはや参考にはならない。今はもっと、自分のしたいこと、目的をはっきりさせて、そこに向かってがんばっている女性のほうが輝いて見える時代なのだ。


なので、まあ、まとめますと、最初に引用した日記「女たるもの」の著者もさ子さんが言うとおり、書籍でもコラムでも何でもそうなのですが、著者が「バブル世代」だった場合、または、文章全体に「カネがないと幸せになれないといった発想」が流れている場合は、バブル世代以外の世代には、役に立たないと思っておいたほうが無難なんじゃないかな、と私は思います、はい。。
テーマ:家庭と仕事 - ジャンル:結婚・家庭生活

時間が空いたので、今さっき読んだ
★白河桃子の「“キャリモテ”の時代」
【第21回】“専業主夫”に頼らず、女も腰を据えて働こう
http://business.nikkeibp.co.jp/article/person/20080220/147640/
にツッコミ。まず、

「理想の夫婦像とは?」と聞くと、ある年齢の人までは「ライオンの台所用洗剤、チャーミーグリーンのCMに出てくる夫婦が理想」と答えるそうだ。おじいさんとおばあさんが、手を取り合って踊るように歩いていくCMだったと思うが、いったいこのCMがどの程度の期間、日本の女性たちの結婚観に影響を与えたのか、誰か調査してほしいものだといつも思う。

 「夫婦揃って仲良く年老いる」……。そのゴールはきっと「チャーミーグリーン夫婦」なのだと思うが、そこに至るまでには様々な過程があるのが、今の結婚だ。


とありますが、CMやメディアなどの「創れたイメージ」に自己(ここでは夫婦像)を合わせる、っていうのは、心理学的な面から言えば、はっきり言って、方向性として、ヤバいんですよ。。

というのも、いくら表面的には消費社会がもたらすイメージやメッセージに合致する自分(または夫婦)になっても満たされず、自己と理想像が乖離しすぎて精神を病んでしまう方々や依存症に陥る方々は多く存在していますし、だからこそ心療内科や精神科の医師たち、離婚専門の弁護士や離婚カウンセラーさんなどが大活躍しているのが現状ですので。(というか、著者の白河さんの世代に、すごーーーーーーーーく、そういう方々は多いので、現状はご存知だとは思うのです。)

それに、「チャミーグリーン」は株式会社ライオンの商品であり、「CM」は販売促進や商品の認知度を上げるために放映されているのであって、視聴者の皆様に「理想の夫婦像を示す」ために創られた映像ではありませんので、その点だけは誤解しないでください。メーカーサイドも、CM製作会社も、そこまでの責任は負えませんので。(←この部分を、3月15日に追記。)

あとは、ここが、ちょっと疑問かも。

とにかく結婚や家族の形は、「夫が稼ぎ、妻が家事をし、子供が2人」という、1970年代の「男女役割分担体制」から大きく変化してきている。女性の生き方も多様化している。しかし、「幸せそう」と思える結婚や家族の形は、意外にまだ保守的だ。

だが変化の激しい今の時代、「リスクを取らないこと、変わらないことこそリスク」であると多くの識者が言っている。恋愛や結婚にしても、「変わらない」ことはリスク。現に「結婚したくてもできない」多くの男女は、「理想の結婚モデルが変わらない」からこそ結婚できていないと言える。


「なにを、どんな状態を”幸せ”と感じるのか?」は、各個人・各カップルによって、だいぶ異なりますので、本来ならそこから分類定義しなくちゃならないのですが、とりあえず、このコラム全体は、こういっては何ですが、バブル世代の女性にありがちな「拝金主義」、または、拝金主義を叶える手段としての「過剰なキャリア志向」的な雰囲気を感じてしまう、というか。。

いや、ビジネス誌だから「お金」や「仕事」に視点を置いているだけ、だというのはわかるのですが、そのアプローチだと、結婚や恋愛を薦める、そして2P目の下のほうに何気なく書いてある、"多くの女性に子供を生んでもらいたい、という思いで書いた「少子化本」です”というコラムの趣旨からすると、逆効果な気がするんですよね、なんとなく。(ちなみに、私個人は、経済学的観点からも、思想的な観点からも、倫理的な観点からも、少子化や婚姻率の減少を問題視して、各個人の生きかたに影響を与えようとする政策には反対の立場です。ただ、こういったコラムは、政策ではなく「商業誌の言説」なので、需要があるならあってもいいのでは、とは思います、はい。)

ですので、読者からのコメントにありましたこの方のご意見(↓)に、私はほとんど100%同意かな、と。

2008年3月1日
「バリバリ働く」とか「どんどんモテる」とか、そういうのはもういい、と感じます。そういうことは、押し付けないでほしいと思う。世の中の人たちは、この記事にあるような「計算」ではなく、もっといろいろな「なんとなく」という感じで結婚していると思う。そもそも最初から「キャリモテ」という結論ありきだから、中身が無理矢理のこじつけが多いように感じる。サンプルも偏っていて、あまり信憑性がないのではないか。


というか、「結婚の形」のサンプルがほしいのでしたら、周囲を見渡してみれば、いろいろなカップルがいますし、また、そこらへんの本屋にその手の本はいろいろ売っています。なので、まあ、そこまで「結婚の形」だとかで、しんみりと悩んだり、結婚のモデルの有無をわざわざ問題視する必要はないんじゃ、と私などは思ってしまう派でして(苦笑)。とりあえず、「こういうのもあるよ~」という意味で、以下書籍紹介。

まず、自称リバタリアンとして、この夫婦は外せない、ということで、経済学者ミルトン・フリードマンとローズ・フリードマン夫妻。
最強の経済学者ミルトン・フリードマン
最強の経済学者ミルトン・フリードマンラニー・エーベンシュタイン 大野 一

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stars20世紀を代表する思想家の1人
starsちょっと美化しすぎではあるけど

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書評はいろいろ読みましたが、小飼弾さんのこの書評が秀逸で、

「最強の経済学者」、確かにその通りだろう。しかし、ミルトン・フリードマンという人は、経済学者という肩書きを外してもなお師となりえる男で夫で父であった。これは本当に凄いことである。「公」の世界で大業を成した人の私生活が爛れているのはむしろ普通であり、我々はこういったゴシップが好きでたまらない生き物であるが、私生活のほころびを本書に期待する人は、完全に肩すかしを喰らうだろう。


とのこと。

次は、有名ではありますが、写真家の荒木 経惟さんと荒木陽子さんご夫妻。
愛情生活
愛情生活荒木 陽子

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starsおいしそう!食べたいのみたい
starsアラーキーの妻であり、荒木陽子である
starsぶっ飛び結婚生活!
stars夫婦って・・・
stars最近の私の逸品

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あと、クライミングに興味がない方はあんまり好きではないかも?、ですが、「価値観やビジョンが似ていて、リスク選好度も似ていると、こういう厳しいけど楽しい夫婦なるよ」という例として、ソロクライマーの山野井泰史さんと山野井妙子さんご夫妻。
凍沢木 耕太郎

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stars湘南ダディは読みました。
stars山の厳しさ、恐ろしさと一組の夫婦
starsそれをやらないと生きてはいけないというもの
stars夫婦の愛情のおはなしです。
stars予想どおり、だけどよい。

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(3月15日 誤字訂正し、微妙に文章を追加。)
(3月16日 トラックバックを打ち忘れたので、いまさら送信。)
テーマ:家庭と仕事 - ジャンル:結婚・家庭生活

デジカメ 104

というか、知り合いに経営不振の旅館のボンがいるんですが(ここではA氏としておく。)、「いやあ、新車買ったら奥さんに出て行けって言われちゃって、いる場所が無くてw」だとか「俺にはやっぱり経営は向いてないからw」とか、どうしようもなく無責任なことを言いながら、いきなりうちの家に乗り込んできて、いつまで経っても帰らないから(配偶者曰く、「昨日の夜、一緒に飯食べたよw」とのことで、この証言を元に逆算すると、ほぼ1週間近くいた模様。ちなみにA氏と彼はけっこう仲が良いんですが、「A氏とは価値観も趣味も経営方針も何もかも違っていて、違いすぎているからこそ、話していると新鮮で面白い」「けど、それでも、あの旅館には二度と泊まりたくない、絶対にイヤw」とのことで、まあ、そういうよくいる感じの旅館のボン。)、書きたいことはたくさんあるんですが(消費者保護や例の政府系ファンドについてなど。)、なかなか書けなくて。。

ということで、面倒な(でも面白いし嫌いではない)ボンも帰ったみたいだし、ボチボチと再開しようと思います、はい。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

2008年02月29日 もうひとつの増税【天木直人のブログ】
http://www.amakiblog.com/archives/2008/02/29/#000738
より。

(前略)同じ29日の各紙に、「国際連帯税創設を求める議員連盟」なるものが28日発足したという記事があった。洞爺湖サミットにあわせ、発展途上国の貧困・疾病対策にあてるためという。

  何のための一兆円のODAなのか。何のための一般予算なのか。予算の適正配分を厳しく見直してすべては解決しなければならないのに、そして本気になればそれができるはずなのに、美名の下に軽々しく新たな税金をつくりだそうとする政治家たち。その中にはなんと共産党の議員まで参加している。

 政府も政治家も、最後は国民から金を巻き上げて自分たちの仕事をつくっている。そこには国民の財産を守るという、ほとばしる使命感のかけらもない。


天木直人さんについては、人によって好き嫌いが出るようですが、とりあえず、これ(↑)は、現状においては正しいかな、と私は思います、はい。でも、

★2008年03月02日 山崎正和氏の米国金融市場主義批判を笑う
http://www.amakiblog.com/archives/2008/03/02/#000743

そして、ルービンやポールソンを財務長官に送り出した、米国金融資本主義の権化であるゴールドマン・サックス社が、ひとり40億ドルもの利益をあげていた事について、インサイダーまがいではないかとまで、次のように言うのだ、

  ・・・この証券会社のディーラーはなぜか弱気の立場をとり高値の段階で売り続けたという。とくに目を惹くのは、ある段階で同社が強気の顧客の買い求めに応じながら、同時に自社の資金を使って売り続けていた点である。その際彼らは逆の立場をとる顧客に対して、自社の持つ情報を与えようとしなかったという・・・ついにアメリカ連邦捜査局が動き出し金融機関など14社の捜査に入ったらしい・・・


これは、ちと違うかな、と。うちは読売はとってないので、この天木直人さんのエントリのネタ元である『2日の読売新聞「地球を読む」』は読んでいませんし(検索したけどネット上にはないらしいし。)、もしかするとズレたツッコミになるやもしれませんが、とりあえず、ああいうのは一般的には「インサイダー」とは言わないじゃ、と。

いや、インサイダーの定義にもよるんですが、少なくとも法的に罰せられる種類のインサイダーではないんじゃ。というのも、サブプライムローンの問題は、けっこうたくさんの人がこうなることを予測していましたし(シラー先生やソロスなど。)、私の解釈では、一番大きな要因は「知識格差」かな、と。

要するに、知っている人と知らない人の違いでしかないというか。それに、確か、NHKでさえも、サブプライム問題が起こる前に、米国の住宅なんとかを特集してましたよね。あれを見た人なら、気づくと思うんですよね、こうなる前にいろんなことを。。(個人的には、別に、将来予測のためには、そこまで経済知識って必要ないと思う派なんです。なんていうんでしょうね、ああいうのは、「あれ?なにかオカシイじゃないのか?!」というような直感を信じたほうがいいし、その直感が誤っている可能性を考慮するために、理論を借用する、くらいでいいんじゃ、と。)

というか、そのコラムを書いたかた、天木直人さんのご指摘通り、「御用学者」であり、職業は「劇作家」で、また、ちょっと調べてみたんですが、学位は「文学」でした。道理で「なんとなく納得させる文章」を書くのがお上手だな、と思いました、はい。

ついでに、シラー先生の本をご紹介。日本語訳は2001年時点で出ていますし、
投機バブル 根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然
投機バブル 根拠なき熱狂―アメリカ株式市場、暴落の必然ロバート・J. シラー Robert J. Shiller 植草 一秀

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stars極度な過信と落胆が元凶

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原書は最近ペーパーバックになった様子。
Irrational Exuberance
Irrational ExuberanceRobert J. Shiller

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あと、賛否両論みたいですが、とりあえず、ソロス本は、こちら。
世界秩序の崩壊 「自分さえよければ社会」への警鐘
世界秩序の崩壊 「自分さえよければ社会」への警鐘ジョージ・ソロス 越智 道雄

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starsサブプライム関連の予想がずばり的中
starsオープンソサエティ
starsオープンソサエティはすべてを解決しない

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さらに、「なんとなく納得」を避けるためには、飯田泰之先生のこの本がいい感じかもです。
ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)
ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)飯田 泰之

おすすめ平均
starsなるほどとうなずいてばかりでは“ダメ”な本?
stars常識や場を支配する空気に喝!
stars耳ざわりの良い政策が疑わしく見えてくるかも……
stars自分好みの「ダメな議論」に加わらないために
starsダメな議論の見分けは必要であるが…

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3月6日追記。
ゴールドンサックスの勝因分析は、ジャーナリストの中岡望さんのこちらの記事が良いかと。
★なぜゴールドマン・サックスはサブプライムローン問題で利益を上げることができたのか 2008/1/23【中岡望の目からウロコのアメリカ】
http://www.redcruise.com/nakaoka/?p=234

ネットで読めるもので、なおかつ、シラー先生の予測は、こちら。2005年にも警告を発しておりました。
★'Irrational exuberance' -- again
Remember the stock bubble? Yale economist Robert Shiller, says we're just as mad for real estate.January 25, 2005: 12:54 PM EST By Robert J. Shiller
http://money.cnn.com/2005/01/13/real_estate/realestate_shiller1_0502/index.htm

(3月15日 ”職業は「劇作家」で”という箇所を追加w。)

池田先生のブログのコメント欄で、核心を突きすぎているコメントを発見してしまいました。(しかし、池田先生のブログを読むと、「池田先生、そこまで本当のことを言ってしまって大丈夫なんですか?」「本当に正直な方なんだな、さすが経済学者だな、熱い人なんだな。」といつも感心してしまいます、はい。)

Re: 対案は? (ikedanobuo)
2008-02-27 18:10:29
同じような話はうんざりなので、これで最後にしますが、「犯罪行為」をなぜ経産省が面倒みるんですか。警察がやればいいでしょ。

サラ金もそうだけど、本来は刑法や民法の改正で司法的に統一して解決すべき問題を、個別の「業法」で役所がバラバラにやるから混乱するのです。それはなぜかといえば、通産省OBにいわせると「法制審にかけると5年以上かかるが、業法なら最短1年でできる」。

つまり官僚が立法の手間を省き、警察や裁判官の役割も兼ねることで権限を拡大し、予算と天下り先を確保するために、こういうわけのわからない法律がいっぱいできるのです。


このコメント中の「経産省」を「内閣府」に代えると理解しやすいと思うのですが、実は、この前取り上げたDV防止法も同じ構造の上に成り立っているのであります。。

要するに、消費者保護にしてもDV防止法にしてもそうなのですが、本来は「刑法」や「民法」で扱う問題が、「役所の都合」でネジれてしまい、結果として、被害者の人たちに焦点が当たっていない法律ができあがってしまうという事情があるのです。(基本的に議員立法はこういう構造にハマりこみやすいので注意が必要です。最近だと、国家ファンドも議員立法でどうにかしようとしているらしいから、怪しいんですよね。。というか、この件は別エントリで書きます。)

なので、なんて言えばいいのでしょう。。福祉国家リベラルの人たちの「社会をよりよき場所にしたい」という気持ちは心情的にはわかりますし、心情としては私も同じなのですが、ただ、「国」や「役人」に何かを求める発想それ自体が「被害者救済をより困難にさせる」という構造的問題を発生させやすい状態を生み出してしまいます。ので、私は、戦略的方向性としては、福祉国家リベラル思想には賛同できない立場です。ついでに、同じく池田先生のブログから、ためになるコメントを引用。

消費者主権の意味 (ikedanobuo)
2008-02-27 22:05:27
日本には、まだ官庁が立法機関だと思っている人が多いようですね。

サラ金もこの問題も、根本的に間違っているのは、取り締まるべきなのは「強引な取立て」とか「詐欺的な売り込み」などの違法行為であり、基本的に司法・警察の問題なのに、役所が出てきて、上限金利の規制や契約破棄の自由化など筋違いの立法で解決しようとしていることです。

本来は、前にも書いたように、消費者が一般法(民法や刑法)にもとづいて業者に対して集団訴訟を起し、司法によって違法性の基準を決めるべきです。ただ実際には、グレーなケースも多いでしょうから、そういう場合は低コストで紛争を解決できるADRを整備し、当事者同士で解決するルールを確立すべきです。

消費者主権というのは、「あのときは口車に乗せられた」とかいって役所に泣きついて金を取り返してもらうことではなく、消費者が当事者として主体的に問題を解決することです。

行政の役割は、そのサポートにとどめるべきであり、経産省がしゃしゃり出てきて商取引を妨害するのは、北畑式の統制経済です。

特に今回の法律のように、民法の「契約自由の原則」に例外をつくることは、一般の民事訴訟にも重大な影響を及ぼします(これは経産省もリスクを認めている)。この意味で、消費者「行政」というのも正確な表現ではなく、消費者中心の司法・行政システムを構築する改革が必要です。


変質する消費者行政 (ikedanobuo)
2008-02-28 09:17:42
当ブログは、コメント欄も戦闘的なことで人気があるようなので、批判も討論も歓迎します。

それはともかく、消費者主権に立脚すべき消費者行政が、それとは逆の「無知な消費者を霞ヶ関のエリートが救済する」という官僚主権に化けているのは困ったものです。

きのうも複数の企業の経営者と意見が一致したのですが、こういう「選民意識」は今の局長級以上の官僚のDNAになってしまっていて、いくら言ってもわからないようです。こういう人々は早く辞めて、スペインでも北朝鮮でも行ってもらうしかない。その意味でも、天下りは全面禁止すべきですね。


最後に、池田信夫先生。本文ではなくコメント欄を勝手に引用してしまいましたが、もしもイヤでしたらその旨言って頂ければ削除しますので、遠慮なく言ってくださいませ。また、いつもブログ更新と例の「サイバーリバタリアン」の連載、楽しみにしております。(ということで、お知らせを兼ねまして、トラックバックを送信♪。)

(3月15日 赤字強調部分をちょっと手直し。)



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