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この前の『カルト資本主義』との関連で、再読。

自己コントロールの檻―感情マネジメント社会の現実 (講談社選書メチエ)
自己コントロールの檻―感情マネジメント社会の現実 (講談社選書メチエ)森 真一

おすすめ平均
stars自己啓発に興味のある人は読んでおくといいと思う。
stars「社会変革」から「自己変革」へ
stars説得力あります・・・
stars社会学のちから

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2000年出版の本なので、情報内容としては古いですが、引用文献もちゃんとある、論文が元となった「社会学書」ですので、現在でも読む価値はあります。最近だと、この本(↓)との関連で読むと吉かも、です。

自分探しが止まらない (ソフトバンク新書 64)
自分探しが止まらない (ソフトバンク新書 64)速水 健朗

おすすめ平均
stars「自分づくり」との区別
starsかなり面白いです。
stars自己啓発の本とあわせて服用するのがおススメ
stars「自分探し」の隘路に自覚的に立つために。
stars自分探しや自己啓発は自然な流れ

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で、再読したついでに以下メモ化。
本書の目的は、「心理主義化」の意味を「心理学的知識」を「知識社会学的に分析する」ことによって明らかにすること。

用語を以下まとめますと、ここで「心理主義化」とは、

心理学や精神医学の知識や技法が多くの人に受け入れられることによって、社会から個人の内面へと人々の関心が移行する傾向および「共感」や相手の「きもち」あるいは「自己実現」を重要視する傾向(p9)


であり、特徴としては、

一見、社会的状況が生み出しているように思える問題も、実は個人の性格に原因があると解釈するように促す傾向があり、このような傾向は、「自明視された社会的状況を問い直すことなく、適応できない自分や他者を過剰に責める結果となる」(p18)



「心理学的知識」とは「臨床心理学やカウンセリング、精神科医らが提供する知識のうち、素人が接触・受容する可能性が高いもの」を指す。(カウンセリング講座や自己啓発書、心理学的自助マニュアルなど。)

知識社会学とは、人々の間で受け入れられて信じられている知識や思想を分析することにで、社会的状況の特徴を明らかにしようとする、社会学の一立場であり、

知識社会学の基本的問いは、

1.ある特定の知識や思想を人々が信じ受け入れる社会的状況の特徴とは何か
2.ある特定の知識は、人々に「正しい」知識として信じ受け入れられることで、どのような社会的状況を形成する効果を発揮しているのか


であり、本書においても、この基本的問いの形式と同じく、

1.心理学的知識を人々が信じ受け入れる社会的状況の特性とは何か
2.心理学的知識は人々に「正しい」知識として信じ受け入れられることで、どのような社会的状況を形成する効果を発揮しているのか


という問いに答える形で、論理が構成されている。そして、キーワードとなるのは、「現在の社会的状況を支える中心的規範」としての、人格崇拝(けっして自他の人格を傷つけてはならない)と、マクドナルド化(予定に従って物事を効率的に進行させなければならない)であり、


この2つの規範は、社会の心理主義化によって、より高度で厳格なものになってきており、一方で、滑らかでスムーズな人間関係を生み出すけれども、他方では、息苦しくさせるような状況をも創出している。(P19)


で、細かいところはおいといて、「自己心理学」と呼ばれる分野がありまして、要するに、「自尊心(セフル・エスチーム)」や「アダルトチルドレン」「自己愛」などの用語が出てくる擬似心理学なのですが、某精神科医が著書で多用して広めてしまったようで、けっこう問題だな、と思ったりはする。(あと、いわゆる精神分析という代物はもはや古くなりすぎて意味はない状況になっているのですが、未だにいわゆる「恋愛本」や「人間関係本」では使用されているので、あれもどうかな、と思ったりする。ユングとかフロイトとか。。)

心理学者P.ヴィッツは、「現代心理学が個々人の自己を崇拝する宗教となってきていると主張」しており、典型例が「自尊心(self esteem)概念で、この害根は、ロジャースやマズローらの自己理論に共通する特徴だとしている、らしいです。そして、

自尊心概念が複雑な概念であり、極めて多様でしかも曖昧な仕方で定義・測定されてきたこと、および、どのような定義を用いたとしても自尊心の肯定によってその人がどのような行動を選択するかを予測することはほとんど不可能である」ことを論じている。(p115)

要するに、自尊心の程度と行動の種類の間には信頼できる相関関係は見出されない。にもかかわらず、いまだに教育界をはじめとする多くのアメリカ人が自尊心の向上に熱中しているのは、現代アメリカが個々人の自己を崇拝対象とする「宗教としての心理学」のとりこになっているためだとヴィッツは主張(p116)


しているそうです。そして、

自己心理学はそもそも「患者」という消費者のニーズを満たすことを治療方法として採用し、消費者のニーズに応えていくなかで、自己愛を中核とする自己心理学理論を構築してきた。この理論によると、「治療者との関係を消費することで、健全な自己愛が育ち、自信がもてるようになって本当によくなる」ことになる。

「消費」とは、「人が欲望を満たすために財・サービスを使うこと」であるなら、自己心理学の勧めているのは、「自己愛・人格崇拝という欲望を満たすために、治療者や親、周囲の人を使うこと」、つまり、他者の消費、あるいは、他者との関係の消費だといえよう。(p124)


要するに、自己心理学と広告の論理は、「消費によって自分を解放する」という点で共通している(P125)とのことで、本書においては、高度な感情コントロールを要請する社会は、人格崇拝の高度化した社会であり、それを推し進めてきたのが心理学や消費社会である、とされている。

でも、合理化を推し進めれば推し進めるほど「非合理」な状況が出現するもので、その点に関しては「合理性の非合理性」として、最後に説明されている。

合理性の非合理性
1.マクドナルド化は、非効率・計算不可能性・予測不可能性・コントロールの欠落を導く。(例:ファーストフードレストランの長い行列)
2.合理的システムはシステム内で働く人とシステムからサービスを受ける人の両方から、人間性や理性を奪い取る


で、詳しくはこちらを参照のこと。
マクドナルド化する社会
マクドナルド化する社会ジョージ リッツア George Ritzer 正岡 寛司

おすすめ平均
stars弊害
stars切れ味鋭い分析
stars鉄の檻から逃れられるのか?

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テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

『人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか』読了。
遅まきながら、いろいろなブログで紹介されていたのを思い出し、読んでみました。

人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか
人々はなぜグローバル経済の本質を見誤るのか水野 和夫

日本経済新聞出版社 2007-03
売り上げランキング : 5270

おすすめ平均 star
starごみ処理の問題のほうが大切
star幻惑的な雰囲気が魅力
star壮大な文献を誇る(?)ビジネス書

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というか、この本、別にオススメではありません。。帯に「帝国化・金融化・二極化する世界!一国単位ではもう何も見えない!」と、いささか大げさに書いてあるのですが、「それって、フツーのことでしょ?」としか思えないですもの。。それに、スーザン・ストレンジの著書からの引用が何箇所かあったのですが、彼女の本を過去に読んだ事のある方なら、この本は不要ですし、どっちかといえば、ストレンジの著作を読んだほうがためになると思います。これ(↓)とか。

カジノ資本主義 (岩波現代文庫 学術 172)
カジノ資本主義 (岩波現代文庫 学術 172)小林 襄治


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でも、実際、読んでみて、ある種の人たち(「大きな物語」を未だに信じている人たち)と「どうして話がかみ合わないのか?」が、よくわかったので、タメになったと言えばタメになりました、はい。

なお、本書は、各種の統計資料を元に書かれているので、主張の正否を読者が各自確認できるようになっております。なので、人文系研究者に多い、いわゆる「研究ごっご」ではありません。よって、読む価値はあります。(「研究ごっこ」の例としてはこちら。)

本書によると、
「グローバリゼーション下で起きている大きな構造変化」は以下の3つ。
①帝国の台頭と国民国家の退場=帝国化
②金融経済の実物経済に対する圧倒的な優位性=金融化
③均質性の消滅と拡大する格差=二極化


要するに、本来ならば、これらの変化を所与とした上で、政府は政策を策定し実行していかなければならないのですが、本書にあるように、

日本を取り巻く世界の経済と政治の環境をみると、とっくに戦後は終わっているのに、日本の経済構造はいまだに戦後の構造をひきづっている。いやそれどころか、ますます戦後の経済構造を強固にして、戦後が終わった日本で、成長モデルを適用して16世紀以来の大転換期を乗り切ろうとしている。日本にとって「失われた10年」は終わっておらず、2020年の「失われた20年」に向かっている。(p297)


という事態になってしまったり。。ちなみに、今月21日に、大前センセイが同じ趣旨のことを仰っておりますので、ちと引きますと、以下。

日本が今も不況に向かって「着実に」歩を進めていることは、衆目の一致するところだろう。この不況の原因として、米国のサブプライムローン問題をやり玉に挙げるエコノミストや政府筋関係者は多いが、それは明らかに間違いである。まったく無関係であるとは言うまいが、少なくともサブプライム問題が起こる以前、昨年の8月くらいから日本の景気が下降していたのは否めない事実なのだから。

 有り体に言おう。日本が不況に向かう真の道筋・原因をつくったのは、サブプライムローン問題ではない。役所・官僚・政治家である。つまりこの不況は「官製不況」と呼ぶのがふさわしい。


ということで、私も、そろそろ、無能な政治家や官僚の方にはおとなしく退場して頂きたいと思っています。(なお、私は大前センセイの信者ではありませんが「ビジネスマンとして」は尊敬しております、はい。)、また、

格差拡大が学力低下、少子化に影響を与えているのだから、格差是正に早急に取り組まなければ10年後にはそのつけが廻ってくることになる。(p267)


と私も思います。よって、具体的には、無駄な政策をやめて「雇用対策」として一本化し、増加している生活保護世帯に対応していくという方向しかないんじゃ、と。(注:いろいろな名称の政策がありますが、本質的な目的は「雇用対策」でしかない政策というのは、沢山あるので、そろそろ素直に一本化したほうがいいんじゃないか、と。。)

あと、本書においては、煎じ詰めれば、「ドメスティック経済圏の中小企業はダメ!」という風な解釈になってしまっておりますし、確かに、地域格差が開いているのでその観点からはそれでいいとは思うのです。が、個別企業レベルで見れば必ずしもダメ、というわけではなくて、ソリューションとしてはいくつかあるワケで。たとえばコレとかぜひ。

Regional Advantage: Culture and Competition in Silicon Valley and Route 128
Regional Advantage: Culture and Competition in Silicon Valley and Route 128Annalee Saxenian

Harvard Univ Pr 1996-03
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The New Argonauts: Regional Advantage in a Global Economy
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これも再読。『カルト資本主義』。
カルト資本主義 (文春文庫)
カルト資本主義 (文春文庫)斎藤 貴男

おすすめ平均
stars貴重な資料
stars信教の自由?
stars小泉のオカルト政治の出現を産業界の歪みから予言した名著
stars問題意識はよいが、細かい内容は疑問あり
stars日本社会を生き抜くための一般教養として

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個人的には、いわゆる「疑似科学」ではなくて、消費者にとって実害が大きい悪徳商法のほうに興味があるのですが、疑似科学に関心がある人にもオススメです。

まず、「カルト資本主義とは何か」というと、

1.オカルト的な神秘主義を基本的な価値観とする
2.西洋近代文明を否定する態度を示し、そのアンチテーゼとしてのエコロジーを主張する
3.個人を軽視し、全体の調和を重視する
4.情緒的・感覚的であり、論理的・合理的でない
5.バブル崩壊後、急速に台頭してきた
6.企業経営者や官僚、保守党政治家ら、現実社会の指導者層に属する人々が中心的な役割を担っている。その支持者たちも、一般に“エリート”と目される高学歴の人々が多い
7.“無我の境地”“ポジティブ・シンキング”など、個々人の生活心情に属する考え方が普遍的な真理として扱われる
8.現世での成功、とりわけ経済的な利益の追求を肯定する。むしろ、ことさら重んじる。
9.ナチズムにも酷使した優生思想傾向が見られる
10.学歴などに対して、普通以上に権威主義的なところがある
11.民族主義的である

(p433)


という特徴を持つ、いわゆる「ニューエイジ」思想が根底にあるビジネスのこと。そして、

ニューエイジは米国的な個人主義や科学万能主義の行き過ぎに対するアンチテーゼでもあり、それだけに全体主義的で、科学的な論理性・合理性の放棄につながりやすい。(p295)


ので、いわゆる疑似科学や悪徳商法にもつながる問題の根、とも言えます。たとえば、こういう商売(↓)など。
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『アイデアのつくり方』再読。(再読したのは5/19のはず。)
アイデアのつくり方
アイデアのつくり方ジェームス W.ヤング 今井 茂雄

おすすめ平均
starsフォード車同様、プロセスの中でアイデアを製造する
stars確かに薄い!
starsいつの間にかそうしてたけど、改めて定義されたことで楽な気持になれました。
stars本が薄い、しかし!
stars方法叙説

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帯には「60分で読めるけれど一生あなたを離さない本」とありますが、実際は、30分くらいで読める、本当に薄い本。(全102ページですが、半分は訳者の「解説」。)
ついでに、以下、メモ化。

どんな技術を習得する場合にも、学ぶべき大切なことは、まず第一に原理であり、第二に方法である。これはアイデアを作り出す技術についても同じことである。(p25)


2つの原理
1.アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何ものでもない。
2.既存の要素を新しい1つの組み合わせに導く才能は、事物の関連性を見つけ出す才能に依存するところが大きい。


事実と事実の間の関連性を探ろうとする心の習性がアイデア作成には最も大切。事柄の関連性を見つけ出す人々の心の中には、シンボルとしての言語に関して広告に役立つアイデアが生まれてくる。
→一番良い方法は、社会科学をやること。

アイデアが創られる5段階

1.資料集め
 特殊資料 広告の場合は、製品と消費者に関する特殊知識
 一般資料 人生とこの世のさまざまな出来事についての一般知識

2.心の中でこれらの資料に手を加えること、資料を咀嚼する段階。
「パズルを組み合わせる努力を実際にやり遂げた時、諸君は第二段階を完了して第三段階に移る準備ができたことになる。」p46

3.孵化段階。意識の外で何かが自分で組み合わせの仕事をやるのに任せる。
この段階にきたら、「問題を完全に放棄して何でもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに心を移すこと」p48

4.アイデアの事実上の誕生 「ユーレカ!見つけた!わかった!」という段階。

5.現実の有用性に合致させるために最終的なアイデアを具体化し、展開させる段階。


テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

『ザ・フェミニズム』をマトモに読む第8回目。今回は、政治経済思想史や経済史をやったことがある人ならわかる基本的な話だとは思うのですが、要するに、リベラリズムはフェミニズムの敵である、という話です。

ザ・フェミニズム (ちくま文庫)
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)上野 千鶴子 小倉 千加子

おすすめ平均
starsもやもやがちょっと解消しました。
stars興味深いけれど
stars対談のいいところが出ている
starsどつき漫才で学ぶフェミニズム
starsフェミへの距離が縮まる

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最初に、背景を簡単にまとめますと、戦後、日本という国は、ずっ~~と、「日本型社会主義」をやってきたワケです。国としては、官が各省庁の縄張りに割拠し、規制や保護によって民間企業の経済活動を管理し、中央から地方への再分配をコントロールしてきました。

企業単位では、終身雇用、年功序列という封建制度によって男性従業員を束縛し働かせ、日本独特の会社主義を行ってきました。そして、この会社主義によって、男性従業員は会社に奴隷化されたのですが、一方、男性従業員の妻となった女性は家庭に奴隷化されました。そして、この女性に焦点を当てたのがフェミニズム思想であったわけです。

そして、官が護持する社会主義に、企業の会社主義を加えたものが、「日本型社会主義」(またの名を日本型資本主義)と呼ばれているシステムであり、2008年現在においても、変化の兆しは微かに見えるものの、まだまだ続いております。

詳しくは、古い本ですけど、基本形は変化していないので、こちらなどがオススメ。
七つの資本主義―現代企業の比較経営論
七つの資本主義―現代企業の比較経営論C・ハムデン‐ターナー A・トロンペナールス 上原 一男 若田部 昌澄


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ということで、現状として、このようなシステムによって成り立っている国なのですから、上野千鶴子さんや小倉千加子さんが「リベラリズムはフェミニズムの敵」「フェミニズムと議会制民主主義は相容れない」(p240)と主張するのは至極当然なことなのです。が、

小倉:だからそのへんの誤解が世間にはある。いわゆる「間接民主制を通して法律を変えて、女性の地位を向上させよう」というようなことを真面目に信じている人がいるからね。ちゃんちゃらおかしい。

上野:そりゃいえます。運動論的に言うたら代議制民主主義というもんほど、フェミニズムと関係ないもんありませんなあ。

小倉:うん。でもそれを知らない人がたくさんいるんですよね。(p36)


とのことでして、もしかするとまだまだ一般知にはなっていない可能性があるため、以下、引用しつつまとめ。

はてなブックマーク >IdeaFlow 【名言】「死にたくなるような、苦しいことばかり書いたり、言ったりしてるんじゃなくてさ、こういう映画を女性会館とかで、流せばいいのよ!」(by 北原みのりさん。)
でのブクマコメントが興味深かったのでメモ♪

北原みのりさんの主張を一番的確に捉えていると思ったのは、id:ohnosakikoさん。(ジェンダー論の先生なんですよね、さすがだな、と思いました。)

2008年05月08日 ohnosakiko 北原さん自身フェミニストで教条的フェミニストへのウンザリ感があるのがこんなところで爆発、みたいな感じを受ける


あとは、引用中のココ(↓)の箇所に、

北原:何年に抜かれたの? フェミは。

坂井:腐女子に?

北原:たぶん、1993年まではフェミにはまだ居場所があったように思うの。で、だいたい96年か97年くらいに抜かれ始めたの。コミケで、女の子たちの割合が増えてきたりとかさ、女の子だけの会場ができたりとか、そこら辺でもう完全に抜かれた。コギャルとかさ、ガングロん時も。

20年後に年表が作られるとしたら、抜かれた時期がわかる。フェミ、何年にコギャルに抜かれる。何年に腐女子に抜かれる、とかさ。もう、フェミは、一部の遅れた女たちが抱えるバイブルみたいなものなのかしら?



2008年05月03日 kanose 映画, 女性, 腐女子 1996年頃に腐女子がフェミを抜いたってのはどの辺を見てなのだろうか。女性参加者はもともと多いしなあ


というように、「1996年」の根拠についてのツッコミが何件かあったのですが、それは北原みのりさんに直接尋ねるしか方法がないので、ラブ・ピース・クラブに問いあせてみてください(笑)。

でも、個人的には、「腐女子がフェミを抜いた」という北原さんの主張はちょっと現実と異なっていて、実のところは、抜かれるも何も、フェミニズムをやっている人は、日本で70年代にウーマンリブが誕生したその時点から既に「遅れていた人たち」なんだと思いますよ。。(そんなことは戦後のメディアや女性誌を研究したり、当時20代だった人たちに100人くらいインタビューしてみればすぐにわかることだと思う。)

なので、ただ単に、1996年くらいに、それ以前から存在していた腐女子が「腐女子」と名付けられたことで、メディアで流通するようになり、一般にも彼女たちの存在が広く知られるようになり、そして今では、アタマが不自由な5流学者が「研究対象」として商売ネタにしている、っていうだけの話なんじゃないのかな、と。。(個人的には、そういう学者って本当に下らないな、と思う派なので、研究対象にされる前に逃げるのが一番だと思いますよ。。)

最近の事例だと、こういう5流学者とかもいるようだし。。
はてなブックマーク > 日本記号学会第28回大会「遍在するフィクショナリティ」 - キリンが逆立ちしたピアス
はてなブックマーク > 日本記号学会。 - 0007 文藝檸檬

それに、社会学者の上野千鶴子さんの発言にあるように、「現実」のほうが常に先を行っている、というのは当たり前のことであって(↓以下参照。)、活字や映像としてパッケージ化されて流通するようになった時点で、すでに古いわけだし、追い抜かれるも何も、そもそも、フェミの方がだいぶ古いんじゃないのかな、と。少なくとも、ジェンダー化されている程度を基準とすれば、私から見ると、「自称フェミニスト」の人たちのほうが、「ああ、侵されてるんだな、、、すごく古い脳の人なんだな。。」と思う人が多いというか。。(恋愛中毒の人とか、「根」が女らしい人が多い気がするんですよ、自称フェミの人って。。)

上野:私は基本的には、理念が現実を変えてきた歴史はない、と思っている。
小倉:しかし、上野さんは、ずっと理念の追究をやってはるやないですか。

上野:理念は現実を説明し、解釈します。そして現実の後追いをします。だから、「現実の方がフェミニズムの先を行っている」と言われたら、100パーセント、その通りです。すべての思想というものは、そういうものです。べつにフェミニズムだけが現実に遅れをとったわけではない。(p236、『ザ・フェミニズム』)



『ザ・フェミニズム』をマトモに読む第7回目。前回は、法律婚そのものの必要性は問わず、現行の法制度を所与とした上で書きましたが、今回は、タイトル通り、「結婚制度の廃止」を巡っての論点をまとめ。
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)上野 千鶴子 小倉 千加子

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趣旨をまとめますと、ウーマンリブの流れを汲んだ一部のフェミニズム思想、一部のリベラリズム、そして、リバタリアニズムの各主張の「共通点」として、理論的には「結婚制度廃止」という論点があるわけです。

が、理論上はそうであっても、現実的には、いきなり結婚制度を廃止しますと、法律婚をなさっている方々は、いったん全員離婚することになってしまいますし、行政手続き上、混乱が生じ、面倒なことになってしまうと予想されます。なので、個人的には廃止ではなく、「多様な結婚形態を受け入れる」というヨーロッパ型リベラリズムの方法を採用したほうがいいと思いますし、現実的にはそれしかないんじゃ、とも思います、はい。

で、以下、まず、「結婚制度廃止」という論点整理のため、ウーマンリブの流れを汲んだフェミニズム思想の例として上野千鶴子さん、次に、一部のリベラリズムの主張の例として、弁護士の角田由紀子さん、そして、リバタリアニズムの主張の例として、法哲学者の森村進さん、それぞれの主張を引用しまとめます。

【フェミニズム思想;社会学者 上野千鶴子さんの主張】

上野:(略)理由を言いますと、別姓だろうが何だろうが、要するに異性愛のカップルに法的な特権と経済的な保護を与える、という制度そのものがナンセンスだから止めなはれ、と

で、異性のカップルで、二人で末永く仲良く、お互いにルール破りをしないで、一穴一本主義でやりたい人は趣味でやったらよろし。そんなものに法的な届出や保護を求めなさんな、ということですね。(p113、『ザ・フェミニズム』)


ということで、結婚制度は必要無し、と。なお、『発情装置 エロスのシナリオ』にて、さらにわかりやすい記述がありましたので、以下引用。
テーマ:家庭と仕事 - ジャンル:結婚・家庭生活

『ザ・フェミニズム』をマトモに読む第6回目。内容は、タイトル通り、マルクス主義フェミニズムの「結婚」とリバタリアニズムの「結婚」の違い、という感じ。

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以下エントリの流れを最初に書いておきますと、まず、結婚という概念を明確にするため、「結婚の辞書的定義」と「法律制度としての結婚」についてまとめます。次に、上野千鶴子さんの結婚の定義を本書より引用し、比較します。その上で、最後に、結婚についてリバタリアン的解釈を行います。

結婚の辞書的定義

こんいん 【婚姻】
(1)結婚すること。夫婦となること。社会的に承認されて、男性が夫として、女性が妻として両性が結合すること。
(2)法律上、一組の男女が合意に基づいて婚姻届を提出し、夫婦となること。両者が婚姻適齢にあること、重婚や近親婚でないこと、女性が離婚したあと一定の期間以上経過していることなどを要件とする。
三省堂提供「大辞林 第二版」より



法律制度としての結婚

憲法
第24条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
2 配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。http://www.houko.com/00/01/S21/000.HTM#s3


民法
(婚姻の届出)
第739条 婚姻は、戸籍法(昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2 前項の届出は、当事者双方及び成年の証人2人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
(婚姻の届出の受理)
第740条 婚姻の届出は、その婚姻が第731条から第737条まで及び前条第2項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。
http://www.houko.com/00/01/M31/009.HTM#s4.2.1


なお、これらの法律に事実婚も準じます。事実婚と法律婚で認められる権利の違いなど、詳しくは「ふつうに事実婚」さんなどを参照のこと。
http://www.h6.dion.ne.jp/~pnest/wedding/

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

ついでに最近読んだ、日本のフェミニズム関連の論文をメモ。(すべてリンク先よりPDFで読めますので、興味がある方は、ぜひに。)

#日本における第二波フェミニズムの展開と課題 : 「遅れてきたフェミニスト」がリブから学ぶもの
野田さやか、甲南女子大学大学院論集. 人間科学研究編 2,71-82,20040318(ISSN 13482122) (甲南女子大学)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004677313/
この論文はオススメ。日本におけるウーマンリブのこともわかりますし、それに、フェミニズム(特にラディカル・フェミニズム)の本を読んで、言ってることはわかるけれど、なんとなく疑問に思っている人に特にオススメかも、です。

#[110004755662]フェミニズムの逆説 : ジェンダーとセクシュアリティの関係
菊地夏野、京都社会学年報 : KJS 10,101-118,20021225(京都社会学年報編集委員会 編/京都大学文学部社会学研究室/京都大学)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004755662/

#フェミニズムとフーコーの政治
関良徳、信州大学教育学部紀要 112,77-88,20040827(ISSN 03737381) (信州大学教育学部 〔編〕/信州大学教育学部/信州大学)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110004682852/

この2本は続けて読むと吉。どんな分野の団体でもそうなんですが、時々、主張内容を検討する以前に、論理構成が成っていないがゆえに、結果として"自分たちにとって不利な”主張をしている団体ってよくあるんですよね。。(この2本を読んだ上で、いくつかの某女性団体の主張を眺めてみると、アタマの悪さが凄まじく良くわかるようになると思います、はい。。)

#革新主義考アナーキストフェミニズムについて
栗原涼子、岩手県立大学盛岡短期大学部研究論集 5,43-49,20030300(ISSN 13489720) (岩手県立大学盛岡短期大学部 編/岩手県立大学盛岡短期大学部/岩手県立大学)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110000973532/
こういうのを読むと、要するに、昔は、アナーキズムをやっている女性が「アナーキスト・フェミニズム」だと、後から"名づけられ”ただけなんじゃないのかな、と思ったりも。。

あと、アナーキズムにも、「個人主義アナーキスト」と「共産主義アナーキスト」という2種類があって、個人主義アナーキストは、アメリカ人によって結成され「国家は廃するが、私有財産は認める」とのことだけど、マーケット・アナーキズム(無政府資本主義)とは異なり、反市場、というのが基本にあるものの、社会主義アナーキズムよりは、マトモといえばマトモかな、と。で、日本でアナーキズムとしてイメージされているのは、どっちかというと「共産主義アナーキスト」のほうなんだろうな、と。

だいぶ間隔が空いてしまいましたが、『ザ・フェミニズム』をマトモに読む第5回目。内容は、タイトル通り、「性的自由」(性的人格権)と「自己所有権」の関係についてリバタリアン的見地からまとめつつ、感想など。

ザ・フェミニズム (ちくま文庫)
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)上野 千鶴子 小倉 千加子

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まず、本エントリ最後にて正しくないと示すものの、とりあえず、上野さんの「フェミニズムは、平等を求める思想というより自由を求める思想だったはず」(p162)という発言を正しいと仮定して話を進めます

本題の「自己所有権」と「性的自由」に関して、上野さんが述べている箇所を引用しますと、以下。

上野:フェミニズムを「女権拡張論」と訳すか「女性解放思想」と訳すかは、大違いなんですよね。私は「女権拡張論」とはけっして訳さない。

では、女性解放思想とは何を求める思想だったか。フェミニズムは、平等を求める思想というより自由を求める思想だったはずなんですよ。

自由を求める、というとき、何の自由が一番根源かというと、自分の身体に対する自由。「性的自由」って自由の根源ですよ。(p162)


上記引用箇所にある通り、上野千鶴子さんは、フェミニズムを「女性解放思想」と訳すと述べた上で、フェミニズムは「自由を求める思想」だとしておられます。よって、フツーに考えると、「解放」されて「自由」になる、というプロセスが想定されているからこそ、そう述べている、と考えられます。

また、いわゆる「主婦フェミニズム」についての箇所にて、以下のように述べておられます。

上野:すでに救われたり、解放された人にはフェミニズムは無用でしょう。(p149)


よって、上野さんのフェミニズムは「すでに救われたり、解放された人には必要がない思想」であり、言い換えれば、上野さんのフェミニズムは「解放」されていない人のために存在している、ということになります。

というか、これは基本的過ぎるポイントだからか、誰もツッコミ入れてないかもしれないので、とりあえずツッコミ入れておきますと、「思想」によって「救済されるorされない」という発想が出てくるのは、ありえないですから。。大真面目に書きますと、「救済」という用語が使用されるのは、思想ではなく「神学」の分野ですから。。(要するに、宗教ってこと。。)

また「何の自由がいちばん根源かというと、自分の身体に関する自由」(p162)と述べていることから、これはリバタリアニズムにおける「自己所有権」と論拠が重なっていると推測できます。

だとすると、上野さんが述べているところの「性的自由」は、リバタリアニズムにおける自己所有権にデフォルトで含まれています。リバタリアンは、原則として「自己所有権という基本的な権利の中に無数の自由権が含まれている」と考えますので。

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌



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