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以下、メモ用ブログより、苫米地英人著『洗脳原論』の引用メモが出てきたので、まとめを兼ねてこちらにアップ。
洗脳原論
春秋社
苫米地 英人(著)
発売日:2000-02
おすすめ度:4.0
おすすめ度4 現代の宗教問題を考えるとき、必読の文献!
おすすめ度4 呑気なことは言ってられない!
おすすめ度1 説得力に欠ける
おすすめ度4 日本が誇る天才、苫米地先生の洗脳とは何ぞや?
おすすめ度3 『影なき狙撃者』みたいだけど・・・

【目次】
第1章 洗脳とは(p3-p33)
●洗脳の本質
●洗脳のレベル
●変性意識と神秘体験
●洗脳の段階
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●洗脳の本質

洗脳という仮想現実の世界。主観的には、うっとりとする夢想空間を魂が漂流しているような状態である。同時に、客観的には、緻密に計算された虚構の世界に閉じ込められた状態である。

そんな状態に陥った人間は、昼夜を問わず厳しいワークに励み、教祖の無理な命令に何の判断もなく絶対服従するなど、自分をまったく無くして絶対者に動かされているように見える。しかしこういった行為は、他者の命令などによるものではなく、行為自体が本人の肉体的・精神的エクスタシーに連結しているから没頭できるのだ。

現実から切り離された仮想空間人生の舞台が移ると、人は誰しも思考を停止し、あくなき快楽の追求にどこまでも走ってしまう。通常、快楽といえば、性的興奮や権力の獲得、金銭的・物理的充足などが連想される。もともと人間本来の心理に、それらを欲するメカニズムが本能レベルで埋め込まれているので、その方向に快楽を求めさせるのに洗脳は必要ない。論理的思考を停止させればいいだけだ。

しかし、その本能を利用して、洗脳者や組織のために働くことにエクスタシーを感じるようすり替えたならどうなるか。その人は自己存在すべてを賭けて、洗脳者と組織に尽くすだろう。

もちろん本人の意識レベルでは、自己犠牲や禁欲、修行、高度な知識の習得といった「高尚かつ崇高な」行為を遂行しているつもりである。が、無意識のレベルでは、性的快楽や富や名誉、つまり欲するもののすべてが、洗脳による奉仕活動の擬似ニルヴァーナに作り出されているのである。

洗脳とは、われわれの神経レベルでの情報処理・信号処理の段階に、なんらかの介入的な操作を加えることによって、その人の思考、行動、感情を、思うままに制御しようとすることである。これは、朝鮮戦争時に使われたとされる個人の思想支配のテクニックを、エドワード・ハンターというジャーナリストが、“ブレイン・ウォッシング”と著書で紹介したことに由来する。


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●洗脳のレベル

洗脳といっても、様々な方法、レベルがある。直接的で即効的なものもあるし、一年後に効果が発現するものもある。基本的なテクニックは二種類ある。ひとつは本人に意識された状態で行われる場合、もうひとつは気づかれないうちに行われる場合である。

(略)その人を洗脳する必要があるということは、たいてい本人自身の内なる目標とは違っているわけだから、心理的抵抗が起きてしまう。簡単に言えば、本人は嫌がる。しかし嫌がっても関係なく、本人を従わせてしまうような一連の技術が「洗脳」の手法なのだ。

具体的には、独房に長いあいだ投げ込んだり、ロールプレイングのように常に相手に主従関係を強いて、それをいつのまにか固定化させてしまう。看守と監獄に入っている囚人との関係などもそうだが、最初は反抗していても、しばらくすると自然にその関係が成り立っている。

このように、本人が抵抗しても強制力を働かせ、いつもまにか相手をコントロールしている方法が、典型的なやり方である。これは古くは中国共産党が開発したやり方だといわれている。

一方、洗脳していることを意識させない方法をとるなら、単純に、何が埋め込もうとする命題であるかを隠せばいい。それ以外は、本質的には前者と同じである。

たとえば、「科学的なデータをとるために、ロールプレイングの実験を行うことになった」と被験者に告げる。それから囚人役を監視役の監督下におき、それをしばらく続ければ、自然発生的に、囚人役には奴属的な態度が生まれてくる。

もちろん囚人役の被験者を奴隷にするのが本当の目的だが、被験者には、はじめに「科学のための実験だ」などど説明すればよい。これに似た方法はいわゆる自己啓発セミナーのたぐいでも利用されている。これは奴属化という本来の目的を教えていないから、相手に意識されていない洗脳手法の一部である。意識的なやり方より巧妙といえよう。

また洗脳を知るバロメーターとして、洗脳の深さ、浅さという問題がある。どちらが危険かは明言できないが、外的刺激に対する認識の判断基準が、肉体に近いか、抽象度の高い思考すなわちフィロソフィーに近いかで、洗脳の深度は深まってくる。抽象度の高い思考に依拠するほうが、手の込んだ深い洗脳が施されていて、解けにくいと考えられる。

(略)しかし、嫌がる人に撃てと命令して引き金を引かせるのは、いくら浅い洗脳の段階とはいえ簡単なことではない。洗脳の深度は、テクニックの難易度と比例しない。


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●変性意識と神秘体験

洗脳のメカニズムには、深度だけではなく、施された刺激の種類も重要な要因となる。具体例として、LSDといった薬物刺激、言語的な刺激情報・抽象思考を利用した言語誘導による睡眠、過呼吸などの呼吸法、肉体的な運動などがあげられる。また、それをどう利用するかによって効果や結果が異なってくる。

(略)すべての洗脳は、必ず変性意識状態が介在している。以前、“意識集中状態”という言葉でマスコミなどに説明したこともある。学問的な術語では、“変性意識状態”と呼ぶ。感覚が一切遮断された空間に長時間いたとき、意識が変性して、夢を見たり酩(さけかんむりに、丁)したような感覚に襲われたりする。そういった意識状態を変性意識状態という。

ヨーガは、強力な変性意識状態を生み出すのに有効な手法の1つである。変性意識状態では、意識的な心的活動が抑えられ、無意識レベルにある心的内部表現が外部化するので、他者はアクセスしやすくなる。つまり、心の奥底に、グル側が自由に出入りでき、本人と対話できる。さらにグルの能力が高ければ、そこにある思考パターンなどの情報を書き換えてしまうこともできる。

この仮想的に体験できる高次元世界は、現実の物理世界より、はるかに次元が高いものに感じられる。LSDを体験したときのように、時間的歴史は混濁し、輪の入り乱れた多層的で連続的なn次元空間が目前に広がっていく。リアリティあふれる立体感、匂いが感覚を征服し、さらに魂は次元の高い空間に広がり浮上する。

そこに到達した修行僧は、恍惚とした快感が走り、巨大な知識体系に一気に投げ込まれたような感激をおぼえる。これを俗に神秘体験と呼んでいる。これはヨーガやチベット密教に限ったことではなく、禅の瞑想や日本密教の観想、数学、哲学を徹底的に極めても、同様な体験が得られる。

この現象は、変性意識と深く関わる脳神経回路レベルの悪戯ともいえる。しかし、悪戯にしても、それは本人にとって圧倒的なリアリティを持っているので、そのプロセスを科学的に説明しても、本人が体験を偽物だと認められない場合が多い。

神秘体験そのものを否定することはできない。もちろん、脳神経回路レベルでそのような悪戯が起こるメカニズムの因果そのものは、科学者にとっても神秘的である。その意味で、ランナーズハイの状態で疾走しているマラソン選手に、「気持ちがいいのは、ただの脳内現象だ」と声をかけても、ゴールまで走ることをやめない心境と似ている。神秘体験とは、本人にとってはそれほど圧倒的で素晴らしい体験なのである。

しかしその怖いところは、その体験があまり神秘的かつ絶対的なものであるために、その出来事を極限なく求め続けてしまうことだ。神秘体験の圧倒的な体験と感激は、普段は冷静な科学者でさえ、一気にオカルト的な方向に押しやってしまう場合がある。

一度オカルト的なものの考え方を受け入れると、超自然的な説明さえもが説得力を持ってしまう。「グルがあなたのために導いてくれたんですよ」という説明が入れば、その体験で得られた快楽と等価値に匹敵する帰依を、誓ってしまう危険性がある。グルイズムの危険はまさしくこれである。

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●洗脳の段階

脳内で起こる具体的な洗脳のメカニズムについて、私が提唱するホメオスタシス仮説をベースに、4つのステップにわけて論を展開してみたい。


《ステップ1 体感的条件付け》
まず、迷信や因習などで定義さえる可能性世界の命題を利用して、この可能性世界の命題が、ホメオスタシスのフィードバック関係の介在によって、物理的な現実世界に存在している心と身体に影響を与えるメカニズムを構築することから始まる。

わかりやすくいえば、旅行先の旅館で窓を開けたとき、真下に墓が見えたら、背筋に寒気をおぼえたりすることだ。旅館の部屋と墓とは別の空間で、そこには本来何の因果関係もないことは頭でわかっているのだが、墓は縁起が悪いという因習的可能性世界の命題と、それにともなう嫌な気分が、ホメオスタシス機能を介在して、生体レベルまでフィードバックされ、別空間の部屋にいる読者の背筋が凍るわけだ。

(略)日本のように、墓が不吉だという概念を、東ドイツの女性は持ち合わせていなかった。だが墓という命題に対して、ほとんどの日本人は、洗脳のステップ1の過程は逃れられないだろう。もっというなら、何らかの可能性世界の命題に対して、人である以上、洗脳のステップ1の段階は、程度の差はあれ終了している。

また、一般に、カルトによる洗脳においては、これら社会因習レベルの命題をさらに拡張して、カルトの教義にあわせた、迷信的命題の刷り込みが行われている。

たとえば、オウムでは、黒は地獄の色なので、黒い服は着てはいけないとか、ロックミュージックは地獄の音楽だとか、自分よりステージの低い人や凡夫(オウム以外の人)と同じ部屋で寝ると、悪いカルマが移るとか、同様に、頭を触られるとカルマが移るなどどいう。

このように洗脳のステップ1では因習的な情報の刷り込みがなされ、これが「ぞっとする」といった体感的な経験と結びつけられる。特定の表象と、特定の臨場感状態を結びつける日常的作業の反復としての、ホメオスタシス・フィードバック・ループの構築がなされるのである。


《ステップ2 臨場感の強化》
ステップ2では、現実世界の臨場感がもっと薄れる。たとえば、旅館の自分のいる部屋の様子が目に入らなくなったり、墓場の臨場感が部屋中を満たす状態である。

(略)ステップ2では、映画館のなかで、その人は映画の主人公になりきっており、自分がサラリーマンであることや、いまが2000年だということをすっかり忘れて、タイタニック号が沈殿するシーンでは冷や汗がどっと吹き出すのである。

もちろんカルトが洗脳で用いる可能性世界の臨場感は、われわれが娯楽で利用するような映画やテレビの世界とは異なる。ニルヴァーナの光体験であったり、また逆に、無間地獄の恐ろしい映像であったりする。

まるで映画を観ているとき、主人公になりきって映画の世界を体験するように、ニルヴァーナの世界を体験させたり、地獄の恐怖を体験させるのだ。これを何度も繰り返し体験させることにより、可能性世界の臨場感をどんどん強めていくのである。

(略)脱洗脳を行うにあたっては、ステップ2の意識状態を理解することが重要である。会話をしたとき、一見まるで、通常の意識状態の人であるかのような会話がなされるので、洗脳状態にあるとは思えないと外的には観察されたとしても、被洗脳者の目には、通常の意識状態の人が見ている現実世界とまったく異なる世界が見えているのである。

洗脳の解けた元オウム信者は一様に、ぱっとしない(と私は思う)あの浅原教祖の顔が、洗脳時には、誰よりも格好が良く、魅力的に見えていたという。また、ゴキブリが這い回る汚れきったあのサティアンの中も、すばらしく清浄な世界に見えていたという。同じものを見ているようで、まったく違ったものが見えている状態が引き起こされる。これがステップ2である。


《ステップ3 アンカーの埋め込み》
ステップ3においては、ステップ2の状態において、さらにイカリであるアンカーが埋めこまれる。アンカーの埋め込みは、前にも述べたように、トリガーすなわち引き金によって、あらかじめ埋め込んでおいた臨場感体験を即座に再現するために行われる。

普通、登場人物になりきって迫力ある映画を鑑賞しても、映画館を一歩出れば、現実世界に引き戻される。その映画の臨場感がよほど強くても、その影響は、そう長く続かない。ヤクザ映画を見終わった後、肩で風を切って歩く人もいるが、せいぜい家に着くまでだろう。同様に、どんな深い睡眠(注;睡眠術の睡眠のこと。)も、一晩寝れば終わりである。睡眠ほど深い変性意識状態はないからだ。

ステップ3の目的は、こんな常識をくつがえすべく、次の日も映画の臨場感世界から抜け出せなくなるような、いわば逃げることを許さない睡眠のサイクルを仕掛けることである。睡眠において睡眠術師は、被術者が睡眠状態にあるとき、のちに睡眠がさめてから、指を鳴らすなどの合図をすると、身体が勝手に踊りだすといった暗示をかけることがある。後睡眠暗示とよばれる方法だが、これは典型的なアンカー行為である。

オウムでは、100時間もの長時間にわたって地獄のビデオを見せ続けたり、薬物を用いて空間がグニャグニャしたりするような恐怖体験を植えつけていた。ビデオには、サブリミナル手法を用いた戦争のシーンなどの刷り込みも確認している。これらの恐怖体験を、教義を疑ったり、教祖を疑うという行為(オウムでは「疑念」と呼んでいる」にアンカーしていた。

(略)このようにオウムは、疑念をトリガーの代表とするいくつかのアンカーを、薬物、ヨーガ、チベット密教の瞑想、長時間のビデオ、頭への電流ショックなどを利用して、巧みに信者の脳に埋め込んでいる。トリガーとアンカーを、ヨーガや薬物による強烈な変性意識体験と組み合わせることにより、いわば逃げることを許さない睡眠サイクルをつくることに成功しているのである。

ここまでくれば、洗脳は成功している。もちろん現在(2000年時点)のオウムでもこうした手法が継続的に行われていことは、私自身が最近行った脱洗脳から確認している。


《ステップ4 永遠の睡眠サイクル》
最後に、洗脳の最終段階であるステップ4について解説する。このステップでは、醒めない変性意識サイクルの果てしない循環に意識がはさまって、抜け出そうとしても、ホメオスタシスに連結した鎖によって引き戻され、さらにその鎖に以前よりも強くがんじがらめにされる。

すでに被洗脳者にとっては、現実世界のほうがよほど映画の仮想世界のように感じされ、非常に現実感の乏しいものとなっている。映画の世界に住み続け、目の前に現実世界があって、それが目に入っていても、見えていないという状態が永続化する。

(略)ステップ4では、いってみれば睡眠のような変性意識状態そのものが、永続的に続くようになっている。睡眠から醒めた瞬間に、また睡眠に引き戻されてしまうというような、覚めない睡眠サイクルが仕掛けられているのである。

(略)このレベルにくれば、もはや洗脳から自力で抜け出すことはできない。また、このステップ4の状態を何ヶ月、何年と経験すれば、もはや現実世界は遠い夢の世界へと退いてしまう。この4つのステップで洗脳は完成する。

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