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以下、この前、古本屋で仕入れた『ザ・フェミニズム』(上野千鶴子・小倉千加子著・ちくま文庫2005年)の詳細解読の第一弾。(数回に分けてアップする予定。)
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)
ザ・フェミニズム (ちくま文庫)上野 千鶴子 小倉 千加子

おすすめ平均
stars対談のいいところが出ている
starsどつき漫才で学ぶフェミニズム
stars浅くも深くも楽しめる!
starsフェミへの距離が縮まる
starsフェミ嫌いにもお勧め

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本書は、アッサリ読みますと、暇つぶしのために優れており、それなりに面白い対談集、といった内容なのですが、細かく読むと、日本におけるフェミニズムの歴史はもちろんのこと、社会学者である上野千鶴子さんと、心理学者である小倉千加子さんの考え方の違いがよくわかり、けっこう良い感じの仕上がりになっております。

注意点としては、本書の公開対談は、2000年7月29日に大阪のドーンセンターで行われた対談をもとに語りおろしの部分を加えて加筆・再構成したものであり、一方、「密室対談」はすべて2001年の語りおろし。また、本書は、2002年3月に筑摩書房から刊行されたものを文庫化したもの。

なので、本書の内容は、現時点における日本のフェミニストの人たちの現状を正確に表現しているとは限りませんし、まさか、とは思うものの、この当時よりは改善されているだろうと予測されます、はい。(まさか、このまんま、ってことはないですよね?だって、対談が2000年なんだから、もう8年経過してますし。。)

以下、【東京密室対談 他のフェミニストたちにはとても聞かせられないこと】(2001年の対談のほう)より引用し、所々で感想など。

主婦フェミニズムとは?

上野:塩田咲子さんが「日本のフェミニズムは、しょせん、主婦フェミニズムであった」と言っておられます。そして「主婦フェミニズムを擁護したのは上野である」と。まず、事実確認から問題にしましょう。

小倉:80年代から90年代前半までの私のフェミニズムの講演に来ていた人たちの主体というのは、やはり圧倒的に専業主婦やったんですよね。今から思えば、80年代後半から90年代前半までのフェミニズムというのは、専業主婦が担って、扇動的役割を果たしてきた、「専業主婦フェミニズム」だったと言ってもいいと思う。

上野;事実認識から言うと、日本のフェミニズムを担ったのは、主婦、つまり専業主婦だった、という判断は正しいでしょうか。小倉さんの公演に来た人たちはそうだったかもしれない。けれども、それで全部と言えば、言いすぎになる。
小倉;うん。全部とはもちろん言いませんけれども、主流はそうでしょうね。(p121-122)


というのが、主婦フェミニズムと呼ばれるフェミニズムに対する基本的認識である、という感じ。でも、この後の箇所で、上野さんは、男女共同参画社会基本法を作成した政府の審議委員のうちの一人が、「日本じゃ、しょせん、フェミニズムは官主導だったのよ」(p123)と言っていたというのを聞いたそうで、「びっくり仰天した」(p123)とのこと。

理由は、上野さんは、官主導の行政フェミニズムの動きだけではなく、官側の人たちの視界には入っていない「草の根運動をずっと見てきましたから」とのこと。なので、上野さんの認識としては、「日本のフェミニズムは行政主導型の専業主婦フェミニズムだったと判定してしまったら、これは歴史の判定としては大いに困ります」(p123)。

というように、細かい部分では両者の意見は異なるものの、この点においては一致をみている。

小倉;官主導のフェミニズムは「専業主婦フェミニズム」であった、と。
上野:その通りです。
(p123)


で、どうして、こういう認識になっているかをまとめると(p124~)、

「官主導だと専業主婦しか来られない」(小倉さんの発言)から。「官は、初期は働いていない女に向けて、そういう女たちが出てこられる時間帯(昼間)にしか講座をやりませんでしたから」(上野さんの発言)。で、働く女性が増加し、昼間の講座に出られる人たちが減ったことで、行政側も対応を変化させ、午後5時以降の講座が増え始めたのは、上野さんの認識としては「80年代の半ば以降」

とのこと。日本において、70年代~80年代半ばまでに、行政主導フェミニズムがどういう認識のもとで行われていたか、については、以下の箇所が一番理解しやすいかと。

上野;私は今でも思い出すけど、70年代に、ある社会教育の専門家が、女性の社会参加とは「生業以外の社会活動への参加」や、と言わはったんやで。
小倉;誰が?
上野;ある男性の専門家。「生業以外の社会参加」--要するにカネにならん活動、つまり、ボランティアと社会教育のことです。そこに出てくるのは生業を持たん女です。

行政側のフェミニズムって、そういう女を啓蒙活動の対象とするもんだったんです。ほんで、それがイヤになった?小倉さんがイヤになったのは、まともな感覚やと思います。


で、現状からして、この傾向は変化していないらしいですよね。。

一般的に、2008年現在においては、「どれだけ自分の時間を労働に費やすか?」を決めるのは各個人の自由ですし、また、ボランティアや社会事業などお金にならない仕事を含めて、「自分にとっては、フルタイムが望ましいのか、それともパートタイムが望ましいのか?」を決めるのも、各個人の自由です。(注;最近、行政や各企業が、さかんに「ワークライフバランス」という言葉を使用しておりますが、基本的に、ワークライフバランスというのは、「各個人が自分で考えて、自分で実行するもの」です。行政や各企業は、各主体のインセンティブに応じてさまざまな定義をしているようですが、その点は注意してくださいませ。)

なのですが、こういった現状認識をすっ飛ばした挙句に、フルタイムの仕事をしていないからという妙な根拠で、市民・国民の皆様を「啓蒙対象」としてしまっている、脳内の現実が80年代半ばで止まっているアタマの古い行政主導フェミニストやアクティビストさんが存在しているようでして、なんと言いますか、「どこにでも、老害ってのはあるんだなあ~(笑)」と思ってしまうというか。。

なお、この本は、フェミニズムの本なので、「女性」を「啓蒙対象にしてしまっている」点に焦点が当たっていますが、現在では「フルタイムの仕事をしてないから」という根拠で、退職した団塊の世代、また、行政がニートやフリーターと定義している若年層も、「啓蒙対象」となっている様子でありまして、その点も、なんだかな、と。。

要するに、経済学的観点からいえば、というか、余計な理論とかを出さなくてもフツーに考えてみればすぐにわかると思うのですが、行政は、財界で生じている労働力不足(特に、サービス分野)を解消するために、働いていない又は行政が勝手に「もっと働けるんじゃないのか?!」と思い込んでいる国民・市民の皆様に向けて、「もっと働け。労働力になれ。」という思いのもと、「啓蒙活動」をしている。

そして、行政主体の講座やセミナーなど、その啓蒙活動の実行段階において、伊田センセーのようなトンデモ・フェミニストが混ざりこんでしまい、一般市民の皆様からすれば、「あ、あれ??伊田センセーの言ってることは正しいのかな?」「なんだかオカシイ気がするけど、行政主催の講座に呼ばれるくらいだから、それなりに信用できる人だと思ってもいいのかな?」「はあ?“スピリチャル”?それって、江原と同じなんじゃないのか?!オカシイんじゃないのか?!」と、不信感を抱きつつも信用していいのかどうか迷っている、というのが、現状なのかな、という感じなのかも、ですよね。。(なにせ「キーワードはスピリチャル」とご自分で述べておられるようですので、そう思う人がいてもおかしくないですから。それに、少なくとも私からみれば、江原と同じに見えるんだけどね。。)

なので、現実的対応としては、本書に書かれているように、

1)いろいろなフェミニズムがある。
2)いろいろなフェミニストがいる。

というのを前提とした上で。

その中には、伊田センセーみたいな「トンデモさん」も混じっているので、細心の注意が必要。なお、専門家の間でも、「フェミニスト男性は、あんまりねえ・・・」という共通見解が存在しているらしいので、一般の皆様は「フェミニスト男性」を見た場合は、その人がマトモなフェミニストかどうかを判別するためにワザワザ考える必要もなく、「フェミ男性は基本的にあんまりねえ。。」と思ってしまっても問題ないです。伊田センセーのようなトンデモ・フェミニストたちとは異なり、一般の皆様には大切な生活があります。フェミ男性の戯言に惑わされず、有意義な生活を送るためにも、積極的に認知節約しましょう。

一方、その中には、マトモなフェミニストも存在している。大まかな見分け方としては、そういう人たちは、第一に「自分の考えをちゃんと述べている」(よって、その意見に賛同したり感化されたりするファンも多いが、敵もそれなりにいる)、第2に「行政主催の講座で講師はしていない」(理由は本書参照。基本的に、大学講師だけだと食べていけない人が多いからお金になるからやっているだけとのこと。)、第3に「フェミニズムの歴史をちゃんと理解した上で、現実の変化にも注目している」。(以上3点の理由により、上野千鶴子さん、小倉千賀子さんは、マトモなフェミニストだと私は思っております。)

逆に、現実の変化を読みきれずに、理念だけで勝手に突っ走ってしまい、「こんなにがんばっているのに、どうして私たちは理解されないの?どうしてなのよ???」と、自分たちのアホさ加減を一般の皆様の理解不足のせいにして、被害者ぶってるトンデモさんが多いのは、いわゆる「行政主導フェミニズム」の人たちである可能性が高い。

(続く・・・)
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