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これも再読。『カルト資本主義』。
カルト資本主義 (文春文庫)
カルト資本主義 (文春文庫)斎藤 貴男

おすすめ平均
stars貴重な資料
stars信教の自由?
stars小泉のオカルト政治の出現を産業界の歪みから予言した名著
stars問題意識はよいが、細かい内容は疑問あり
stars日本社会を生き抜くための一般教養として

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個人的には、いわゆる「疑似科学」ではなくて、消費者にとって実害が大きい悪徳商法のほうに興味があるのですが、疑似科学に関心がある人にもオススメです。

まず、「カルト資本主義とは何か」というと、

1.オカルト的な神秘主義を基本的な価値観とする
2.西洋近代文明を否定する態度を示し、そのアンチテーゼとしてのエコロジーを主張する
3.個人を軽視し、全体の調和を重視する
4.情緒的・感覚的であり、論理的・合理的でない
5.バブル崩壊後、急速に台頭してきた
6.企業経営者や官僚、保守党政治家ら、現実社会の指導者層に属する人々が中心的な役割を担っている。その支持者たちも、一般に“エリート”と目される高学歴の人々が多い
7.“無我の境地”“ポジティブ・シンキング”など、個々人の生活心情に属する考え方が普遍的な真理として扱われる
8.現世での成功、とりわけ経済的な利益の追求を肯定する。むしろ、ことさら重んじる。
9.ナチズムにも酷使した優生思想傾向が見られる
10.学歴などに対して、普通以上に権威主義的なところがある
11.民族主義的である

(p433)


という特徴を持つ、いわゆる「ニューエイジ」思想が根底にあるビジネスのこと。そして、

ニューエイジは米国的な個人主義や科学万能主義の行き過ぎに対するアンチテーゼでもあり、それだけに全体主義的で、科学的な論理性・合理性の放棄につながりやすい。(p295)


ので、いわゆる疑似科学や悪徳商法にもつながる問題の根、とも言えます。たとえば、こういう商売(↓)など。

ヒューマン・ポテンシャル運動
心理学の知識や技術を用いて参加者の自己啓発・自己実現を目指す。日本では「自己啓発セミナー」の名で広まった。本書に登場した小林充のMT法は好例。

トランスパーソナル心理学
個人の意識は個を超えた集合的なもの、また霊的神秘的なものに繋がっているとして、それに基づく心理療法的実践を追求する

ニューサイエンス
デカルト以来の西洋近代科学の二元論的前提を揺るがし、精神的なもの、霊的神秘的なものを自然の中に見出そうとする学問潮流。永久機関ブームもその流れ。

・ディープ・エコロジー
環境運動に霊性的な次元を導入しようとする。人間の自己実現は、自らを森や川、砂漠、山々と連帯を感じる“生態系を中心とする同一化”によってこそ可能だとする

・ホリスティック医療運動
西洋医学が心と身体を切り離し、また部分を治そうとするのに対し、身体と心の全体の癒しと健康を目指す“全体論的”な医療観。東洋医学やシャーマニズム的な癒しの知恵を復興させ、医療に霊性的な次元を取り戻そうとする。

超越瞑想
インド人マハリシ・マヘシ・ヨギがヒンズー教を継承しつつ創始した、簡略な瞑想法による自己変容の運動。京セラの稲盛和夫が愛好している事実を第三章で取り上げた

仏教的瞑想・共同体
禅やチベット仏教、タイ仏教の瞑想センター、ベトナム人僧侶、ティック・ナイト・ハンをめぐる運動など。米国ではこれらは“ニューエイジの周辺”と認知されている。


で、ニューサイエンスはニューエイジ運動と表裏一体の関係にあり、「米国の臨床心理学者マーガレット・シンガーによれば、ニューエイジ思想を標榜する集団はしばしば共同体を形成し、そのうちの多くがカルトと化す傾向がある」とのことで、

彼女の指摘はこうである。

<<カルトは、信者の行動をコントロールするという点で全体主義的すなわち全体を包括するものであり、世界観において熱狂と過激な傾向を示すという点でイデオロギー的な意味でも全体主義的である。(中略)ほとんど全部の問題に対して、いわゆる白か黒かの式での思考で単純に割り切り、すべてか無かの観点に立つことをカルトは奨励するのだ。信者のライフスタイルを中断させたり改めさせたりすることを信者に要求するカルトが多い。>>(『カルト』32ページ)


かなり奥深い問題が潜んでいる感じが。。

<<ニューエイジは、現実の境界を取り払おうとする。宗教の境界を、国家の境界を、心と肉体と霊の境界を。境界は疎外と分裂を意味する。ニューエイジにとって、分裂は最大の悪である。「あれもこれも」の教義に忠実に、ニューエイジは男も女も黄金時代に帰そうとする。男も女も全能であり、神々に等しい。

しかし、実際に力をもっているのは、ニューエイジの指導者やグルであり、信奉者は、内なる自己の中に真理を求めよ、と教えられるが、しかしその内なる自己が語るものを解釈するのは、指導者なのだ。

ニューエイジは深い「自己」責任を教えるが、ニューエイジに改宗した多くの人が、個人的な意思決定をすべて指導者に委ね、人生の伴侶の選択から、何を食べ、何度身体を洗うべきかに至るまで、およそあらゆる事柄に関して、指針を与えられてしまう>>


という感じで、要するに、意思決定を放棄させることで、信者を奴隷化することで商売が成り立っている、という感じなんでしょうね、きっと。

「ニューエイジとは何か」については、以下。

テキストとして、東京大学教授・島国進(比較宗教運動論)の『精神世界のゆくえ』を取りあげる。現代宗教のフィールドワーク的研究の第一人者である島国によれば、ニューエイジに特徴的な信念や観念は、次のようなリストにまとめることができるという(31-35ページ)。

1.自己変容あるいは霊性的覚醒の体験による自己実現
2.宇宙や自然の聖性、またそれと本来的自己の一体性の認識
3.感性・神秘性の尊重
4.自己変容は癒しと環境の変化をもたらす
5.死後の生への関心
6.旧来の宗教や近代合理主義から霊性・科学の統合へ
7.エコロジーや女性原理の尊重
8.超常的感覚や能力の実在
9.思考が現実を変える
10.現代こそ意識進化の時代
11.意識進化は宇宙的進化過程のひとこま
12.輪廻転生とカルマの法則
13.地球外知的生命(ETI)との接触
14.過去の文明の周期と埋もれた文明の実在
15.人体におけるチャクラや霊的諸次元の存在
16.水晶・音・香・場所などがもつ神秘性
17.指導霊の実在
18.体外離脱や誕生前記憶の体験による霊魂の存在の確認
19.チャクラーやシャーマンの真正性

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