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『性別特性論に基づいたジョン・グレイの恋愛本にハマっている理系女性と「愛の意味」について対話してみた』を書いた関係で、「ジョン・グレイ」をキーワードにココに訪れる方がいるようなので、再びジョン・グレイをネタに。

結論から言いますと、タイトルどおり、ジョン・グレイはニセ学歴保有者であります。前回も書きましたが、日本において、ジョン・グレイの著書のなかで最も有名なのは『ベスト・パートナーになるために―男と女が知っておくべき「分かち愛」のルール 男は火星から、女は金星からやってきた 』(知的生きかた文庫)であります。で、事の真偽を確認するために、まずはジョン・グレイの学歴をみてみると。
http://www.amazon.co.jp/Mars-Women-Venus-Book-Days/
dp/product-description/0060192771

In 1982 received his doctorate in psychology and human sexuality from Columbia Pacific University.


Columbia Pacific University、とありますね。このニセ大学の詳細を知りたい方は英語版のwikipediaをぜひご参照ください。
http://en.wikipedia.org/wiki/Columbia_Pacific_University
次に、“John Gray phony Ph.d”で検索してみませう。(もちろん日本語のみじゃなくて「ウェブ全体を検索」で。)すると詳細な情報がたくさん出てきます。以下、Yale Daily Newsの記事より引用。

Diploma mills deserve their own rankings【Yale Daily News】

Most Famous Alumni: Columbia Pacific University. Dr. John Gray, best-selling author of “Men are from Mars, Women are from Venus” has a Ph.D. from this now-defunct California-based school. Blogger Kieran Healy summed it up nicely: “Men from Mars, Women from Venus, PhDs from Uranus.”


ということで、まとめますと、ジョン・グレイは「人気の恋愛本の著者」ではあるけれども、「博士」という学歴を保有しているわけではなく、その知識は学術的な正確さに基づいていないので、彼の著書に書かれていることをそのまんま実行したとしても何の解決にもならないかもしれないよ、という感じです。

というか、この著者の本、著作物をすべて合計したら、かなり売れている部類に入りますし、わたしも読んだことあるのですが、どうしても「あれ?」って思う箇所があったんですよね。いわゆる「男と女の性質や本質は異なる」というような性別特性論に基づいたエッセイとして読むぶんには、問題ないと思うのです。

もちろん、『広義の意味において』「男と女は違う」というのはある程度どんな方でも納得すると思うのです。なぜ日本では女性のほうが長生きするのか、とか、なぜ世界各地において犯罪者たちの割合は男性のほうがダントツに多いのか、などの視点からいけば「男と女は違う」になりますよね。

が、個々人の関係である「恋愛」の場面となると、男女差よりも個体差からの影響(性格や嗜好や趣味や信条など。)のほうが大きくなりますし、ムリあるな、と。ちなみに、ジョン・グレイの本を過去に恋人と一緒に読んだことあるのですが、明らかに私は「男性の特徴」に当てはまってしまい、彼も「男性の特徴」に当てはまり、なんだかな、と笑った思い出があります。。以下、関連記事。

"Ph.D."?Where Did John Gray Get His Ph.D.?
Relationship gurus have "totally worthless degrees"
日本語記事ではこちら(↓)が詳細。
通信教育で博士号がとれる↑【北米留学上級技術マニュアル】
ニセ学位問題――米政府職員に大量の該当者
「463人の政府職員が、正規の認可を受けていない3つの大学――ケネディー・ウエスタン大学、カリフォルニア・コースト大学、パシフィック・ウエスタン大学――で学位を取得していたことが判明」とのこと。
ディプロマミルの抗弁と閉鎖命令
「米国では裁判所の閉鎖命令により、これまでにリンカンインターナショナル大学、マンハッタン大学、サザンパシフィック大学、スタントン大学、コロンビアパシフィック大学を含む数多くのディプロマミルや非認定大学が閉鎖させられている。」とのこと。
テーマ:ブックレビュー - ジャンル:本・雑誌

(注:今更感は否めないんですが、どうも立命館大学内や○○大学内やイダヒロユキで検索してここにくる方が最近いらっしゃるようですし、もしかすると今後この種の記事に需要が増えるかもしれませんので、以下とりあえず書いておきます。)

ということで、今更ではありますが、過去数回トンデモ・フェミニスト伊田広行(イダヒロユキ)を取り上げた関係で、最近、空き時間に日本女性学会&イダ氏議論関連リンク経由で複数の方々の意見を読ませて頂いているのですが、「イダ=トンデモさん」という前提で考えてみるにしても、この件(↓)は、もっと大問題化しても良かったんじゃないじゃ、と正直感じました。

「フェミニズムを誤解」しているワタシ?:伊田氏ブログに関して
フェミニズムを私物化する男性ジェンダー研究者

伊田が山口さんという方に対して行った行為はハラスメント的行為ですし、ちょうどここ2日ばかり笙野頼子さんの『徹底抗戦!文士の森』を再読していて気づいたのですが、伊田ってまさにコレ(↓)やってますからね。立ち読み用のページがあったので、該当箇所を以下引用しておきます。

批評はどこへ行った。そのとき評論家は何をしていたのか。徹底抗戦!文士の森 実録純文学闘争十四年史笙野頼子より。

(略)そうそう忘れていました。もうひとつ、この最後の方法がまさに日本社会の悪しき本質です。完全に敵対する敵が男の場合なんとしても抱き込む。批判されたら口まねをしながら、擦り寄るのもいい。或いは敵に反論させると言って対談でもやって自分の宣伝に使ってしまう。或いはプロレスなどと言って戦いをスポーツにし、スポーツ仲間にしたててしまうのです。どれもこれも慣れあい日本にはよくある事。

但し、――。
敵が女の場合、これはよほどの事がない限り無視しておきます。そして無視出来なくなったら、何を言ってるのか「判らない」、と言えば一丁上がりです。私の戦ってきた酢豆腐野郎は、このあたりの腕前も一流でした。
(以下略)


笙野頼子さんの場合は文学という世界でのことですが、「酢豆腐野郎」をイダに当てはめてみるとフェミニズムやジェンダー論と呼ばれている分野にも当てはまるなぁと。でも、それも当然なんでしょうね、大学もまた笙野頼子さんの言うところの「日本社会の悪しき本質」を体現している場ですし、それに、こうやって取り上げられて可視化されている問題は問題化されているという点でマシであって(「見える化」されている)、他の分野では見えていないだけで山ほどこういうのがあるのかもしれませんし。

というか、これはあくまで個人的意見ですし、自分がされたらそうするなぁ的意見なのですが、イダ氏側がコメント欄もトラックバックも受け付けておらず(少なくともブログ・ホームページ上においては)メールアドレスも公開していない状況を考慮しますと内容証明くらいは送ったほうが効果あったんでは、と。でもまぁ、ブログや論文など文字情報だけでの判断ですがフェミニストの皆さんはどうも優しい方が多いようなのでイダは救われたんだなぁ〜、と思いました。

あと、ついでに、上記の件との関連で、イダ氏の「失礼極まりないハラスメント的行為」の類似行為の事例として、イダ氏のホームページに掲載されている以下の記事をリンクしておきます。(まぁ、内容読まなくてもタイトルだけでアレなんですけどね、「評価」ってなんでまたイダに「評価」されなくちゃならないワケ?って感じで。。)

小倉千加子さんの評価(2007年)【魚拓】
内田樹氏の「フェミ批判」を批判する(2006年)【魚拓】
林真理子さんの二枚舌(2006年)【魚拓】

11月2日追記。
関連ありそうな「テクスチャル・ハラスメント」の記事。
テクスチュアル・ハラスメント
【散文(批評随筆小説等)】雑感&書評『テクスチュアル・ハラスメント』

あと笙野頼子さんに対しても、最近また所謂「ニュー評論家」が何やらほざいておりまして、以下、その件の関連記事。仲俣暁生もイダヒロユキも「おんたこ」ですね。
実録・「おんたこ」とは何か - Close to the Wall
「おんたこ」とは何か・追記 - Close to the Wall
「自由」という名の言い訳、あるいは傲岸不遜な態度 - Sound and Fury.::メルの本棚。

さらに追記。★内田樹氏の「フェミ批判」を批判する(2006年)
を丁寧に批判している方を発見。
uumin3の日記 イダヒロユキ氏の内田樹氏批判

あと一番重要なイダ氏の元記事が消えてしまうと何なので、魚拓を採っておきました。(11月5日15:06に記録された魚拓)
バックラッシュ批判本が出揃う!

(それと念のため書いておきますが、このエントリはいわゆるお節介エントリではありますが、なによりもまず、私自身がイダ的なものに対して「気持ち悪い」から書いた、ということは明記しておきます。)
テーマ:★大学生活★ - ジャンル:学校・教育

前回に引き続き、今回もスピリチャル・フェミニスト伊田広行の、トンデモ発言を取り上げます。

伊田広行 インタビュー | カフェグローブ(更新日:2001年6月19日)より。

-では、恋人や夫婦、家族さえ「他者」だとするシングル単位の恋愛・結婚観も、私たちをハッピーにしてくれるのだろうか。

もちろん! そこにあるのは抑圧の少ない、生き生きとした新しい関係、エロティックでセクシュアルな関係です。なぜなら、制度ではなく、スピリチュアルなものでつながることができるから。どう、なにか見えてきましたか?」



あ、あの〜。。「もちろん!」って、それ、大嘘だよねえ?伊田の提唱しているシングル単位というのは、本当に「フェミニズム」と関係あるのかねえ?どうも違うように見えるんだけど、気のせいじゃないよねえ。。たとえば、著名なフランス人フェミニスト、バダンテールはこう述べておりますが。

以下、エリザベット・バダンテール『迷走フェミニズム これでいいのか女と男』新曜社/2006年より。

フェミニズムの一番の存在理由は男女平等を実現することであって、男と女の関係を改善することではない。フェミニズムはそのための闘いです。男女平等が実現されれば、男も女も幸せになる、と主張したことは一度もありません。
 
フェミニズムはあらゆる人間の問題をすべて解決するような全体主義ではありません。共産主義が約束した「輝ける未来」ではないのです。フェミニズムの目的は幸福の実現ではなく、不満の原因になっている男女格差を取り除くことです。権利の獲得と幸福の実現は別の次元のものなので、混同してはいけません。

(P173、エリザベット・バダンテール『迷走フェミニズム これでいいのか女と男』新曜社/2006年より引用))



私は、どっからどう見ても、どの角度から目を凝らして見てみても、バタンテールの主張のほうが、現実の社会に適合したフェミニズムだと思うけどなあ。

ちなみに、企業における「男女平等の実現」っていうのは、まずは「同一労働同一賃金」を原則としてまず実現した上で、伊田みたいなトンデモさんは、トンデモさんなりの地位に行き、能力のある人は性別に関係なく、それなりの地位につく、というような「適材適所」を実現することだと私は思うのですよね。

でもね、どうも伊田みたいなトンデモさんが発言の機会を得ている現状を見ると、大学という組織においては「適材適所」の実現どころか、ご自分が学生に教える立場にあるにも関わらず、自分自身の専門分野さえも理解していない、要するに、能力のない人が何らかの理由によってその世界に紛れ込んでしまっており、それが「許されてしまっている」という問題がありそうですよね。。どこの分野でも若手研究者はたくさんいますし、伊田よりも大学教員として優秀な人は、いくらでもいると思うのですが。

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テーマ:読書 - ジャンル:小説・文学

ついでに、ツッコミ所を発見してしまったので、さっきアップした「スピリチャル・フェミニスト伊田広行のアタマのなか」に引き続き、パート2として、以下、1箇所だけ、ツッコミ入れておきますわ。
「スピリチャル・フェミニスト伊田広行のアタマのなか」で取り上げたトンデモ論文において、最後のほうでいきなり伏見憲明氏の『欲望問題―人は差別をなくすためだけに生きるのではない』に触れ、

検討すべき諸点を提出している本であるが、ことジェンダーとジェンダーフリーについては、かなり表層的な理解に陥っている。ここで言う「表層的」とは、「伊田のジェンダー概念の整理」の水準を踏まえていないという意味である。


と書かれており、ああ、もう呆れるしかないな、これは。。
伊田が勝手に「加藤秀一氏の定義を土台として」勝手に定義した『「伊田のジェンダー概念の整理」』なる奇妙な定義を、「踏まえていない」から「表層的な理解」なんだってよ。。自己中心的にも程があるでしょうに。。。

という感想を持った私でありました。で、以下、同じくスピリチャル・フェミニスト伊田のホームページで『伏見憲明『欲望問題』(ポット出版 2007年)の検討―――差別問題を否定せず、スピリチュアルなレベルの差別問題に発展させていこう』なる文章内で発見し、またしても驚いた、という感じ。。以下、引用。


ちょっと調べものをしていたら、「もしかして、フェミニズムやジェンダー論と呼ばれている分野では、組織の多様性を確保するために“男性向け”アファーマティブ・アクションでもやっているのかしら?」「それとも、退職者再雇用の一環なのかしら?」「それとも、単純に、人材不足なのかしら?」と、思わずにはいられない文章を見つけてしまった。。

それは、立命館大学非常勤講師イダヒロユキ氏のホームページで恥ずかし気もなく世界に向けて公開されている、大阪経済大学『人間科学研究』第1号(2007年)に掲載されている(らしい)『「ジェンダー概念の整理」の進展と課題』という文章である。いくら日本にはムダに私立大学が多いとはいえ、こんな小学生並の幼稚で非論理的な文章が、大学内の論文集に掲載されているとなると、なんだかな、って感じだわ。。

以下、大阪経済大学『人間科学研究』第1号(2007年)に掲載されている(らしい)『「ジェンダー概念の整理」の進展と課題』という文章から所々引用し、ツッコミ。



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